展示のほかに、建物そのものにも興味を惹かれるものだ。
暗い天井部分に、
敢えて目を向けてみる。
何せ、やっすい古いコンデジである。
画質がイマイチなのは諦めていただきたい。
古い建物とは言え、
現在使用しているからには
それなりのものが付加されている。
耐震性を向上させるための補強材であったり、
監視カメラなどの防犯装置であったり、
照明器具であったり。
トラスの組み方とか、その接合部の様子とか、
屋根荷重の受け方が結構面白いと感じる。
構造は専門ではないから
詳しいことはわからないけれど。
(まあ、設備は「専門」のはずだが
やっぱり詳しいことはわかっていなかったりする)
黒色の製品を使ったり、
黒色に塗ったりして、
ほんとうに目立たなくなっている「せつび」。
でも、そんなモノたちを敢えて観るのが
趣味でもあるし、それが仕事だったりもする。
換気と暖房を兼ねているのだろう、たぶん。
暗い茶色に塗られたダクトも
その気になれば、視える。
その気で視るのでなければ、
おそらく存在を気付かれることがないであろう。
黒色の配管と、塗装色を変えた理由はわからない。
面積が広いので、茶系のほうが木材と紛れやすいという判断なのかも知れない。
スパイラルダクトに、
ノズルを取り付けてある。
何棟か集合している形の施設であって
その棟の明るさによって雰囲気が随分変わるのも
なかなか乙ではないか。
こちらはちょっと明るいので、
ダクトは黒く塗ってある。
スプリンクラ用と思しき配管が
集熱板とともに設けられている。
木造構造材のどこからどのように配管やダクトの支持を取るのか
結構悩ましいことと思う。
てきとうに吊ってしまうと
強震時にはきっと壊れるから。
地震のあと、
「水道管が破裂して、施設内部が水浸し」
なんていう報道があったけれど、
本当に「水道管」だったところはそんなに多くなかったんじゃないだろうか。
スプリンクラ配管であったり、冷温水管であったり、
内部に水が入った配管がどこかで破断して、
内容水が撒き散らされたんじゃなかろうかと思うのだ。
水が入った配管全般は、
一般の方々にとっては「水道管」でしかないのだろうけれど。
(「小樽市総合博物館運河館の構造設備」おわり)