小樽運河のすぐ傍に、
「運河館」がある。
あいにくの雨であって、
しかも入館時に凄まじい降り方であったから
正面写真を撮り損ねた。
よって、中にあった模型を。
中庭の、庇のある場所からなら
少し撮れた。
当時の最先端をゆく、モダンな造りであったのだろう。
シャチホコが乗っかっているのである。
鋼管煙突は、もちろん後付け。
現代の北海道ではまず見られない
瓦葺の屋根である。
明治26年築の木骨石造建築、とある。
海の街小樽っぽく、
海獣の骨格標本があったりする。
その他、地元に生息するいろいろな動物、
昆虫などの標本も展示されている。
そして、土器群。
北の厳しい気候の土地ではあるが
地球規模で温暖であったとされる縄文期の気候は
現在よりも穏やかであったのだろうか。
北海道では、縄文時代のあとに、
続縄文時代が来る。
北の地ではイネの栽培が行われなかったため
「弥生時代」なる時期は存在しない。
いろいろな地の博物館、資料館の類を見ると
その土地土地の特徴や違いがわかって面白い。
まあ所詮は趣味の域であるから
学問的な正確性や総合性を追求しているわけでもない。
単に『面白いから』『楽しいから』に尽きる。
こんなところが、一般300円で観られる。
本館と共通の入館券であれば、500円で両方観ることができる。
公営でなければ、
維持が難しいかも知れない。
このブログでも、いろいろとご紹介してきているように
このテの施設には目がない。
時間があればあるなりにじっくりと見るし、
無ければ無いなりに、さらっと楽しむ。後ろ髪を引かれながら。
惜しむらくは、
観光地にあるけれども
決して盛況ではないところ。
あんまり盛況だと
じっくり見づらくなるから
ガラガラなくらいが観るほうとしては良いのだけれど
運営者のことを思うと、少々居た堪れない。
このところ有名になってきた、愛知県は蒲郡市の竹島水族館のように
魅せ方、訴え方、取り組み方によっては
何とかなる余地があるんじゃないかと思ってみたりする。
ネットは、重宝する。
書籍も良い。
けれども、「実物」に触れるのもまた
貴重な経験なんじゃないかと思うのである。
「書を捨てよ、町へ出よう」 (寺山修司)
何となく、言い得て妙かと。
(「小樽市総合博物館運河館」おわり)