その日は曇天であった。
青空なら、
それはそれで大変良かったに違いないが
曇天でもそれなりに面白かったのであるから
ご紹介しておきたい。
崖の一部が白くなっているが
あれは海鳥のフンなのだそうだ。
祝津港のあたりに見える観覧車と右手の建物は
おたる水族館。
水族館の上にあるのは
ホテル、ノイシュロス小樽。
展望は、大変良さそうだ。
ぐるっと反対側まで回って見る。
赤岩海岸からオタモイ海岸にかけての海岸沿い
切り立った地形が見事である。
昔、このあたりにレジャーランド的施設があったらしい。
曇天ゆえ、
海の色も鉛色にしか見えないかと思いきや
ほんのりと『積丹(しゃこたん)ブルー』の面影が
見える瞬間もあった。
僥倖、僥倖。
洞窟なんかに入っていく小型船ツアーもあるらしい。
かなりいいお値段するらしい。
シーカヤックで訪れるプランもあるという。
海蝕地形や
地層の走向が見られたりして
これはこれで面白いではないか。
地質の先生とか、
解説付きで回ったらなお面白かろう。
この辺、
潮の満ち引きの加減でも
だいぶ違った趣になりそうだ。
崩れて溜まり、を繰り返して
今があるように見える。
これからも、
崩れ続けていくのであろう。
あ、ノイシュロスがまた見えてきた。
天候の割に波は高くなかったが
うねりが少々あって
始終大きく揺れ続けていた。
どうだろうか?
ちょっとは行ってみたくなったであろうか?
楽しそうなところ、
面白そうなところ、
ほんとうに沢山ある。
人生、全然年数足りないな。
資金もだけどさ。
(「海から見る小樽2」おわり)