手前にエアコンがあって、
その向こうがダウンライトと非常照明、
その先に、鉄板、
更に、アネモ型吹出口と
左側には誘導灯が見える。
この「鉄板」は
排煙口である。
付近の壁のどこかを探すと
排煙口開放装置がついているはずである。
自然排煙の排煙窓を操作するやつなら
換気がわりに手軽に触る人もいるだろうが
こいつはうかつに触れない。
これをさわると、排煙口が開いて排煙ファンが起動して
周囲の空気や軽いモノが凄い勢いで吸い込まれていく事態となる。
「つい、出来心で」
「なんか、面白そうで」
「ちょっと、興味があって」
軽い気持ちでいると、
後日、安くない損害賠償請求に泣くことになろう。
自然排煙の窓がつけられない部分には
機械排煙装置を設けなくてはならない(諸条件あり)。
コストをかけて道楽でつけているわけではないのだ。
ただし。
実際に火災が発生していて、
煙がもくもくと生じて充満しつつあるような場合には
躊躇なく操作して良い。
煙に巻かれて、方向感覚を失い、
そのうち一酸化炭素中毒で意識を喪失する、
そんな事態になるのを遅らせるべく
火災による煙を排出するための装置なのだから。
その後、
ぬらしたハンカチを口と鼻とに押し当てつつ
身を低くして速やかに避難すべし。
ただ、
頭では知識として知っていたとしても
それが実際の事態に遭遇して
行動に移せるかどうかとなるとこれまた別である。
『避難訓練』は、
事前のシミュレーションとして
非常に有効である。
機会があれば
参加することをお勧めする。
(「排煙口があって」おわり)
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