時代の要請に従って
その中身をどんどん変えていく。
それに伴って
建物も、その中の設備も
次々と更新されていく。
その雑然感が
面白い。
薄汚れた、古い低層校舎の隣に建てられた新しい棟。
比較的新しい棟だけれども
露出のダクトが外壁を這っていたりする。
建ったあとに、
喫煙室を設けることになったのであろう。
排気ダクトをそのまま出すと臭いので
ちょっと上まで立ち上げてから排出しているのだ。
3階には換気用のフードがついているけれども
それよりも上階には無い。
空調・換気方式の違いがわかる。
向こう側に建つ別の棟には
見事なまでの各室換気。
古い棟はたいてい
耐震性能が足りていないから
補強してあるのだ。
使いながらの補強工事になるから
外フレームが無難なところであろう。
意匠さえ気にしないのならば。
この棟の各室には
元々換気が無かったことであろう。
窓の上部をパネルにして
そこを換気フード取り付け場所にしている。
口径の大きなダクトが繋がっているのは
実験用か何かで多くの換気を要する室が配置されているからなのだろう。
「ドラチャン」も
あちこちに設けられているようだ。
後から後から、
いろんなモノを付加していくから
その雑然感が設備設備さを強烈に醸し出している。
どの建物も
正面玄関付近はそれなりになっていて
ちょっと側面や裏手に回ると
実用重視な感じになっている。
このツギハギ感がたまらない。
もっとも、工学系校舎だからこその光景であって
文系校舎であればここまではならないのであろう。
建てて終わり、じゃなくて
使いながら、いじりながら、変わっていく。
ただの「ハコモノ」じゃない
「生きている」感のある
大学の校舎なのであった。
(「大学の建物はツギハギである」おわり)