さまざまな「メカ」たちが存在している。
農機具なんだけれど。
脱穀用の、「唐臼(からうす)」の模型。
展示用に製作したのか、
誰かが記念に作ったのか、
そのあたりの事情は全くわからない。
『万能自動播種機』と記載がある。
種を入れてコロコロ転がしていくと
パラパラと種が播かさる(まかさる)のだそうだ。
余談ではあるが
なぜか北海道では
「〜する」と表現するところを「〜さる」という言い方をするようだ。
受身形なのだ。
「ガラスを割っちゃった」とは言わずに
「ガラスが割らさった」という感じ。
自分が割ったんじゃなくって
ガラスが割れちゃったんだよ、というイメージ。
これは、『唐箕(とうみ)』
通風して玄米と籾殻とを分離するのだ。
何台か、置いてある。
これには『亜麻播種器』という札が下がっている。
先ほどの『万能〜』ではダメなのだろうか。
亜麻専用のようである。
縄をなう機械も何台か。
実際に藁を挿入してハンドルを回し
縄を作っていくことができる。
オリジナルはあちこちの部品が傷んで
うまく動かなかったので、
何台かある展示物の部品をやりくりして
1台稼働可能な状態にしたのだそうだ。
いかにも、メカメカしい。
目の前で、ギリギリと縄が伸び
ドラムに巻き取られていく。
イベント時などで時々持ち出しては
小学生などに見せるらしい。
時代がだいぶ下った感じのメカもある。
『ミスト機』
国産品だね。
播種器もソリも唐箕もエンジンも
何でもござれ、だ。
もう、何がなんだか。
古〜い感じの、ラジオ。
『昭和期』という、
戦前戦後さえひっくるめた
大雑把な時代感。
キャノン製の電卓。
電卓博物館に並んでいるであろう逸品。
重くて、でかくて、高価であったのだろう。
似たような機種で、
約20kg、40万円なんていう情報が載っていたりする。
かように、
時代も品目もバラバラだけれども
とても楽しいメカたちなのだ。
(「赤井川村郷土資料館のメカたち」おわり)