過去の雑多なモノたちが
数多く置かれている。
昔の農具があるかと思えば
馬具が並んでいたり
林業の道具が掛けてあったり
置いてあったりする。
名称や時期、寄贈者名などが
添えてあったり、添えてなかったり。
実物だけではなくて
何かの記念で製作したような模型もあったり。
個人製作の模型があったり。
時計と黒曜石とカメラと電話と……。
時代も分類も知ったこっちゃない。
出自も名称も見て解れ。
と言わんばかりに
並んでいるのである。
土器も石器も
暖房器具も調理器具も給湯器も
もう、ありとあらゆる文物が
所狭しと陳列されている。
系統立てて
美しく展示されている資料館も良い。
だが、この荒々しいまでの雑多な館も
これまた興味深いではないか。
見る者に挑むかのような
知識と思考とを試すかのような
そんな展示方法!
いや実際には「きちっと」するだけの人材と経費をかける
余裕がないだけなのであろうけれど、
そんな事は些末であると言わんばかりの圧倒。
どうだろうか、この傍若無人さ!
昭和40年の勲章もあれば
戦時中の勲章や軍隊手帳。
もう、玉手箱である。
いとをかし。
(「赤井川村郷土資料館という玉手箱」おわり)