その展示自体も楽しめるのであるが
建物内の『設備』を見ることもまた
楽しみの一つなのである。
いわゆる、あれだ。
「一粒で二度美味しい」だ。
まずは入ってすぐ、
エントランスホール部分。
吹き抜け部分の制気口は
まずチェックすべきところであろう。
壁面にたいていついているノズルの形状も
ところによって違ったりするので興味深い。
展望塔の軒天にある制気口。
大きさ、長さ、幅、
四角にするか丸にするか
既製品を使わないで製作するか
考えだしたらキリがない。
室外機廻りが
だいぶ傷んでいたのだが。
雪が積もらないから、
下部架台はこんなモノで十分であろう。
配管の外装も
結構酷いことになっている。
が、放置されている。
さて、ジャンボシミュレーターのある展示室の天井。
ノズルで吹き下ろすのは一般的であるが
鉄骨トラス構造と
円形に配置した矩形ダクトとの対比が
面白かった。
ダクトをループ状につなげてしまって
各ノズルから均一に吹き出すことを意図しているのだろう。
ノズルまでのネックダクトが妙に長いのは
鉄骨との兼ね合いなんだろう。
あの壁の奥に
空調機が仕込まれているはずだ。
通路部分の上部には
別途空調機が天吊で設けられている。
ピーマックの水熱源ヒートポンプのようだ。
ドレンの主管は
建物形状に合わせて
微妙な角度で曲げていかなくてはならない。
フレキで済ませているんだろうな。
熱源水配管は
保温していないようだ。
冷房時でも冷たくないし
暖房時は配管から室内に放熱しても構わないのであろう。
鉄骨や内装の塗装色に合わせて
電線管を塗り分けているのがお茶目。
ベント管の途中で色を変えるのは
ちょっと面倒だったんだろう。
ちょっと見渡すだけでも
いろんな『楽しい』設備に出会うことができる。
嗚呼、ほんとうに
「二度美味しい」建物なのである。
(「航空科学博物館のダクトたち」おわり)