奴は突然視界に入ってくる。
おわかりになるだろうか?
左側、高い位置に
避雷針と並んで乗っかっている、高架水槽。
飲み水が、
入っているはずなのだ。
でも、こんな怖ろしいところ、
誰が点検するっていうんだ。
誰が掃除するっていうんだ。
この大きさだと、
法律上は点検も掃除も義務じゃなかったような。
(条例では何かあるかも知れない)
カラスの死骸が浮いていたとか
ネズミやネコだったとか
そこまでいかなくても
ホコリの薄膜が浮いていたり
スライム(微生物コロニー)が形成されていたり
そんなだったら、気持ち悪い。
高さを恐れず、
常に点検清掃が励行されていることを願いつつ。
でも、自分が住んでるor使ってる建物じゃないし、と思いつつ。
一抹の不安を胸に
歩き通過するのであった。
(「怖ろしや、高架水槽」おわり)