もう少しご紹介したい。
最初は気づかなかったのであるが、
ほんとうにいたるところに補強金物が取り付けられている。
気づき始めると
「接合部にことごとく」
という感じであることがわかってくる。
耐震設計にあたり、
最初に図面化して構造計算した人は
さぞ大変だったことだろう。
2階に上がる階段脇の壁には
ブレースが設けてあった。
古い木造や組積造の建物に
補強されているものをいくつか見てきたが
この第2農場の各建物が
一番違和感なく仕上がっているように感じる。
(飽くまで、個人的な感想だ)
構造設計の実務をやっている方にとっては
いろいろご意見や
ひょっとすると苦言もあるのかも知れないけれど。
穀物庫の火報の機器収容箱は白かったけれど
模範家畜房の箱は茶系の色になっていた。
建物によって、仕事(設計、施工、監理、監督など)を担当する人が
別だったんだろうか?
2階には、
いろんな農機具類が
所狭しと陳列してある。
牛馬に引かせて農作業を行うための
諸々の機具類。
たとえば、
「とうきび」の種を撒くためのプランタ。
車輪が回ると、
カムが動いて
ポトリポトリと種を落としていくんだろう。
名称や用途など
札がついているんだけれど
いまいち見づらかったりする。
1階にあった牛の模型は
それっぽかったけれど、
2階にはなんと「塩ビ管馬」があった。
頭部のY継手とか
蹄のレジューサーとか
よく出来ていると思わないだろうか?
ちょっと、外回りを。
屋外消火栓の立上廻り。
蛇口のついた水栓柱も、
水抜するタイプのやつだ。
頂部のハンドルを回して操作する。
寒冷地では、
とにかく「凍結」に留意しなくてはならない。
避雷導線下部。
当然、明治・大正のモノではない。
古い建物を鑑賞するのに
意匠的な部分だけ見ていたのでは勿体無い。
構造や設備や電気についても、
堪能したいものだ!
かつて、
「一粒で二度美味しい」というキャッチコピーがあったが
建物は何度も何度も楽しめる。
それらのモノが「見える目」を養えば養うほど
面白さが増してくるように思う。
さあ、もっともっと楽しむぞ。
だって、ただ目の前の仕事を淡々とこなすだけじゃ
(それはそれで楽しみようがあるけれど)
勿体無いじゃないか。
せっかくケンチクの業界に身を置いているのだ。
とことん、楽しみ尽くそうではないか。
そのためには、
網膜に映っているものが「視える」ように
認識できるように、
学ぶ必要もあるのだ。
学習は、
楽しむためにするものなのだ。
勝手に、そう思っているのだ。
(「模範家畜房の補強や設備」おわり)