重要文化財 札幌農学校第2農場である。
「模範家畜房」という建物がある。
「わが国最古の様式農業建築物」というのだから
必見であろう!
まずは、外回りから。
外装デザインが凝っているのである。
浮き彫りの模様がある。
移築前は、
馬車で直接2階に乗り入れるスロープがあったようだ。
木造3階建で555uもあるのだ。
屋外消火栓が設けられている。
屋内に設けると目立ってしまって……という場合に
屋外消火栓は有効であろう。
ただしこの地は寒冷地。
水抜栓が設けてある。
「いざ」というときには
水抜栓をひねって通水するところから
始めなくてはならない。
寒冷地での留意事項である。
そもそも、
積雪のたびに消火栓廻りを除雪してやらないと
「いざ」という時に使えない。
結構、
お守りが大変な設備だったりする。
滑車で運び入れるため
上部に木材が突き出してある。
今で言えば、ホイストレールだ。
こっそりと
避雷針も設けられている。
雷でも落ちたら、
一気に燃え崩れてしまいそうだから
必要であろう。
屋根面から生やしてあるのは
「煙突」ではなくて「換気塔」であろう。
葺き替えとか塗装とか
いろいろと手を加えているのであろうが
違和感なく保存されているように思う。
和風建築しか造ったことのなかった大工さんたちが
お雇い外国人のよくわからない指示をもとに
苦労して造り込んだのではないかと思う。
徒弟制で伝統の中で仕事をしていた業界の中で
かなり野心に満ちた人たちだったんじゃないかろうか?
逆の妻側。
かつては、荷馬車が一方通行で通過できたのであろう。
1階内部。
牛は、作り物だ。
適宜、床コンクリートがきれいにされ、
照明器具などが取り付けられている。
よく見れば、
あちこちに金物が取り付けられている。
耐震補強の一環であろう。
火報も必須であろう。
なんか、変な管が並んでいて、
説明があって、
ここで飼料を配合して
与えていたということか。
目立たないけれど、
あちこちに鋼板柱が建っている。
木の構造材にも、
いろんな補強金物が取り付けられている。
この建物も、
しっかりと耐震補強工事が行われている。
ちょうど、古い建物の耐震補強に関するお話があったので
とても参考になった。
(「模範家畜房」おわり)