耐震補強されている様子がわかる。
黒く塗装した鉄骨で
柱・梁が組まれ、
水平ブレースも設けられている。
ほぼ鉄骨だけで剛性を確保しているんじゃないかと
思えるくらいの架構だ。
けれども、意外に圧迫感が無い。
照明器具やコンセントも
たくさんたくさん付加されているのだが
あんまり気にならない。
火報くらいかな、目立つのは。
これ、茶色じゃダメだったんだろうか。
塩ビのプルボックスは、
茶色や黒色で塗るほどではない、という
判断だったのだろうか。
ケーブル類は、
結構フリーダム。
歴史的建造物の耐震補強って、
なかなか悩ましそうである。
重要文化財ならば、なおさら。
外からやるか、内部でやるか。
元の造作と補強材との対比。
必要となる設備(照明とか火報とか)との兼ね合い。
意匠と構造と設備とのせめぎ合い条件が
新築や普通の改修工事と比べて
たくさんありそう。
展示内容だけではなくて、
「補強」「設備付加」という観点からも
興味深い建物であった。
(「古い木造建築の耐震補強」おわり)