鋼製ブレースを見掛けた。
大きなガラス開口面の剛性を確保するために
設けてあるようだ。
黒くて細いブレースなので、
あまり目立たないように思う。
ブレースと木構造とをどのように接続するか
なかなか興味深い。
ピン接合だから、
ブレース斜材と端部金物は
羽子板ボルトと六角ボルト・ナットで繋げられている感じ。
端部金物は、
ヨコと下とをビス止め。
それぞれ5本、計10本のビスで
隅角部に接続されている。
引張応力に耐えるために必要なビスの太さ、長さを
ブレースメーカーが試験して決めたんだろう、たぶん。
壁の中に納められているとわからないけれど、
このようにあからさまに見える場所であれば
良くわかる。
意匠設計と、構造設計との調整をうまくやれば
いい感じに仕上がるんじゃないだろうか。
そんな「せつび」を計画するのも、面白かろう。
いつまでも意匠に疎いまま、というのもよろしくなかろう。
と言って、センスなんてなかなかつくもんじゃないから、
「全然考えない」から、「少しは気にする」程度の
僅かな前進でしか無いのかもしれないけれど。
耐震設計は、日進月歩、日々素材も工法も進化している。
科学技術の発達とともにどんどん新しくなるのは
「せつび」も同様であるから、
どんどん新しく「意匠」に取り込んでいく余地は
作っていけるんじゃないかと思うのだ。
(「木構造の鋼製ブレース」おわり)