それはそれで興味深い。
そして同時に、
その中にある「せつび」にも
興味を唆られるのである。
ちょっと大きめの博物館なら、
一日中籠もっていても平気だ。
上野の国立科学博物館クラスになると
何日も通いで見ても平気に違いない。
(そんな時間的余裕を持って見られたためしはないが)
このビート資料館は、
何時間も居られるほど展示内容が豊富なわけではない。
が、展示とともに「せつび」も見始めたものだから
結局小一時間は過ごしたであろうか。
人によっては、
いや、大部分の人にとっては
何の変哲もないただの建物の一要素でしかないのであろうが、
各所に散りばめられた「せつび」の数々が
とても愛おしいではないか!
たとえば、天井面。
吹出口や、埋込の照明、スポットの照明、非常照明と
いろいろ見られるではないか!
ライティングレールから電源をとっているシーリングファンと
火災報知器の感知器と吹出口とスピーカー。
がんばった(?)天井のレイアウトからも
いろんな思いが感じられるではないか!
壁面に大胆に陣取る吸込口や
それに威圧されているコンセント、
ひっそり階段灯と
上方の展示用照明。
よりによってステンドグラスの真上に並んだ
これまた大胆な吸込口たち。
年季を感じさせる、
床置タイプのエアコン。
こういった「せつび」たちも
建物を構成している要素なのである。
「そだね」
一言、無関心な返事しか返って来なかったとしても、
それでも主張するのである。
「なあなあ、設備がついているんよ。見てや見てや!」
声高には叫べないのだけれども。
いや、実際には「心の声」でしかないのだけれども。
外。
帯広市の市章と、鈴蘭をあしらった
マンホール蓋。
さあ、出かけよう。
「設備」を見に。
(「ビート資料館のせつび」おわり)