照明やコンセントを思い浮かべる方が多かろう。
そして、「照明」や「コンセント」と言うと、
照明器具であったり、コンセント差込口だったり
「部品」「パーツ」を思い浮かべる事が多かろう。
しかし。
照明器具は、そこに電気が送られてはじめて光ることができる。
器具だけでは、「照明」の用を成さない。
コンセントも、そこに電源が供給されてきてはじめて役に立つ。
差込口があるだけでは、無用だ。
天井や壁の中に通されているケーブルを通して
電気エネルギーが運ばれてくる。
天井の中にある、電線管とケーブル類。
このあと、天井仕上を貼ってしまうと
これらは見えなくなってしまう。
見えないけれども、存在しているのである。
天井から、壁の中へと
大量のケーブルが降りてくるところ。
この壁には、盤でも付くのであろう。
壁のボードを貼った後、
コンセントやスイッチがつく部分を切り欠く。
中でとぐろを巻いているのは
ケーブル。
少し余長がないと
器具につなげることができないから。
アップのやつも。
ここはボード2枚貼りの壁なので
結構厚みがある。
天井内にあるコンセント。
ボックスに取り付けてある。
雨水配管の凍結防止ヒーターの
電源のようだ。
壁の中や、天井の中。
いろんな設備の配管やケーブルが
隠されている。
たまに、工場や店舗や事務所で天井を貼らない仕上げの部屋があると
これらのものは見えてくるのだが、
通常は天井を貼ってしまうので見えなくなる。
壁も同様だ。
ただし、露出になる場合には
仕上材とか塗装とか少し気を使う。
隠蔽となる場合よりも手間と費用をかけたものになる。
配管やケーブルのルートや、吊りの様子も
視線を意識したものに変わる。
もっとも、いろいろと配慮してあったとしても
普通の人は気づかれないし、
気にする人は多くなかろう。
天井や壁を見る時、
その裏に何が隠されているのか
想像してみて欲しい。
もしも何かが露出でついている場所に遭遇したならば
どんな様子であるか、観察してみて欲しい。
設計した人の、
施工した人の、
監理した人の、
思いやら、苦労やら、工夫が詰まっているのだから。
時として、
コストや工期や無理難題が厳しいゆえの
「やっつけ」や「あきらめ」が見え隠れしていることもある。
現場では、
人知れず、いろんなドラマが紡がれているのだ。
(「壁の中や天井の裏にあるケーブルたち」おわり)
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