文字通り温泉宿である。
日帰り入浴もできるし、
宿泊も可能である。
時節柄なのか、
ワタクシが訪れた時には
客が少なかったようである。
というか、
気配を察するに
「貸し切り」であったように思われるのだ。
であるからして、
以下の画像についてはそういう事情のもと
誰にもご迷惑をお掛けせずに撮影したものであることを
はじめにお断りしておく。
たまたま客が途切れた隙を見て……なんていう画像ではないのである。
全然、だあれも来ない中で、
学術的工学的興味のもとに
撮影したものなのである。
山の中ゆえ、
外の景色は山と木々と雪だけである。
ここには、2種類の温泉がある。
黒っぽい「富士見の湯」と
茶色の「旭の湯」である。
建物入口や宿泊室部分では
年季を感じさせる状態であったのだが
別棟となっている浴場は
ずいぶんと新しい感じがする。
たとえば、
脱衣所の洗面コーナー。
今風でしょ?
設備に携わる者としては、
カウンターの下部も見てみないわけにはいかない。
ストレート止水栓と、
Sトラップ。
洗い場。
貸切状態だから、
照明がもったいないくらいである。
シャワー受け金具から
錆が出ているところを見ると
「スゴく新しい」わけでもなさそう。
シャワー用と水栓用とで
2個の自閉水栓が並べてある。
洗い場の間隔、
ライニング、鏡、シャワー受け金具、カウンターの高さ
排水溝の幅と深さ、排水目皿の大きさと間隔、
照明の器具と高さと明るさ、
床面の勾配……。
いろいろと、参考になることが多い。
浴槽。
そんなに大きくはないので
大勢押し寄せてきた時には
狭いかも知れない。
今は貸切状態だから、
すんごく広く感じる。
結露水がぴちゃぴちゃ落ちてこないように
天井にはかなり勾配を設けてある。
電気モノは、防水タイプである。
換気は、有圧扇。
ああ、錆、錆。
温泉っぽいでしょ。
露天もある。
雪見風呂である。
内風呂からも、
景色は見える。
有圧扇の外側のフードとか
照明とかコンセントとか。
露天脇の歩行浴槽部分に
冬期間は湯を入れないようだ。
加温だけれども、
2種類の温泉は嬉しい。
旭の湯と
富士見の湯。
水呑器があった。
最近しばらく目にしていなかった。
冷水機に取って代わらつつあるのかも知れない。
男女浴室は、日替わりで入替となる。
もう一方の浴室は、
全然違う形状であるが
やはり趣がある。
そして露天風呂が「富士見の湯」だ。
そちら側は、撮影していない。
やっぱり、温泉宿。
何が良いって、
そりゃ温泉なのである。
近隣に住む人以外にとっては、
どこから行くにも、
大層遠い場所であろう。
でもでも、
一度は行ってみると良い。
周辺(と言っても、半径100km程度……)には
いろんな温泉がある。
巡ってみるのも良かろう。
日本の温泉文化、
いいじゃないか。
「それじゃ、ちょっくら」と
気軽に行けない所にあるからこそ
より有り難みを感じるのかも知れないけれど。
(「旭温泉の浴室」おわり)