古い男子トイレでは
頭上で「じょぼじょぼ」と音がしていたものだ。
近年では、ほとんどお目にかかることも無くなってきているが。
そんな中、古い建物に入って
こんなトイレを見かけると
嬉しくなったりする。
何が嬉しいのかよくわからんけれども。
「古いもの」「年季を感じるもの」に
感じ入っているに過ぎないのであろうが。
上方に、ハイタンクが据えてある。
(小便器正面の陶器製「注意板」も、見どころである)
このタンクに、
細く開けっ放しの蛇口から水を溜めていって
ある程度溜まるごとに下の小便器に向かって水が流れる。
蛇口の開け具合によって
水の流れる間隔を調節するのである。
時代が下ると、
天井面に焦電センサーがついていて
入ってきた人数をカウントして
ある程度利用されたら水を流すというシステムが
設けられていた時期もある。
給水も自動で、
常に「じょぼじょぼ」と音がすることも無くなって。
現代は、もっぱらセンサー式である。
「感知式フラッシュバルブ」と呼ばれていた時期もあるが、
今や当たり前になって、そういう用語も書かれなくなった。
S408とかS409などという品番のハイタンクも
めっきり見なくなった。
そのうち、
歴史博物館にしか存在しなくなるのであろうか。
(「ハイタンクを目にしなくなった」おわり)
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