「暖房が弱い」という弱点を克服するために
「冷媒加熱型エアコン」が販売されていた時期があった。
現在では、極寒冷地においても
ヒートポンプで暖房ができるようになってきている。
-15℃でも定格能力が出せるとか、
-25℃でも暖房できる(当然効率は落ちるが)とか
性能の向上には目覚ましいものがある。
しかし、
かつてはそんなスゴい機械を生産することができなかったから
いろいろと知恵を絞ったのである。
「冷媒加熱型」
夏期は、普通に冷房機として作動する。
冬期は、室外機で灯油を燃焼させて
冷媒(この場合は熱媒だな)を加熱して室内に送る。
エアコンと灯油暖房とのハイブリット型である。
もう、一般に販売されていないけれども
かつて納入された機器が現役で可動している場面には
ときどき遭遇する。
ぱっと見、普通の室外機のようでもあるけれど、
上の方に排気トップがついているのがわかる。
ここから燃焼ガスを排出するのである。
そして、下の方には灯油配管が接続されている。
オイルストレーナーを介して銅管がつながっているのがわかるだろうか。
ほんと、
めっきり見かけなくなったけれども
それでも時々お目にかかる。
せめて、
画像として記録しておくよ。
かつて君たちが活躍していた時代があったことの
証として。
皆さんも、
もし見かけたら撮ってあげてほしい。
10年先にまだ残っているかどうか
怪しいのだから。
(「冷媒加熱型のエアコンというものが存在した」おわり)