チセが建っている。
あんまり雪の多い地域じゃないんだけれど
積もっちゃう時もあるわけで。
現代、
見物に訪れるだけなら良いのだけれど
実際にここに住んでいたのだから
昔はいろいろ大変だったことだろう。
「チセ」は、省エネの本なんかに
「季節間蓄熱」の例として載っていたりなんかする。
昔は昔なりの
生活の智慧があったのであろう。
人間も、
現代人よりも丈夫であったはずだ。
いや、違うか。
丈夫な人だけしか、
生き残れなかったというべきなんだろう。
こんなところにも、
明治初期の頃にはるばる英国から旅をしに来た
イザベラ・バードなる人物がいたという。
何やら、怪しげな雲が。
もくもくと迫ってくる。
また、ひと雪降りそうだ。
(「雪の中の、チセ」おわり)