どんな色を、思い浮かべますか。
萌え出る草の薄い黄緑色だったり、
桜のピンクだったり、
ほんのり霞のかかった空色だったり、
人それぞれに思い浮かぶ色があるんじゃないでしょうか。
さてそこで、
「黒」を挙げる人はどのくらいいますかね。
寒さが緩んでくると、
路面の雪が無くなって、
路肩の雪山がだんだん黒くなってきます。
凍りついていた氷板を壊し、はがして
路肩に積んでいくと
到底雪や氷には見えない黒い塊が
視界に入ってくるようになります。
車道だけではなくて、
歩道部分の路面も見えるようになります。
埋もれていたマンホールも
顔を覗かせます。
雪の表面は、昇華してささくれだって
粉塵や砂や土が降り積もって黒みを増していきます。
まだまだ、緑やピンクが出てくる段階じゃないけれど、
確かにこの「黒」い色が
春を告げる色なのではないかと
思ったりするのです。
(「春は何色?」おわり)