今回の滞在先にあった洗面台廻りも
その例外ではない。
洗面所なのだが、
天井についているのは「ロスナイ」であった。
「全熱交換形換気扇」である。
なぜ?
小さな天井扇と、
ダウンライトと、
火災報知器の感知器とが
所狭しと並んでいる。
何が正解かわからないけども
いろいろ参考になる。
ここの鏡は、
かなりでかい。
スイッチは、
こんな感じ。
熱交換換気用のスイッチ(普通換気回路付)であることが
どのくらいのユーザーに認知されるのであろう。
右側のやつが
換気扇用のホタルスイッチ(ONピカ)であることも
わかるような気がしない。
ここの壁紙は、
うっかり汚してしまうと大変そうだ。
洗面台の下部は、
物入れだったり電気温水器置場だったりすることもあるが
ここでは「ゴミ入れ」であった。
内面を黒く塗って、
右側にゴミ投入用の開口。
中にゴミ箱を置いてある。
こういう使い方も、
良い気がする。
左から、給湯管、排水管、給水管である。
水とお湯には、
水勢を調節できるように「止水栓」が
ついている。
排水は、管内の臭いが上がってこないように
くるっと丸めて中に水が溜まるようになっている。
「トラップ」と言うのだが、
硬貨や宝石をうっかり落とした時の安全策と
思われているフシもあるが、
決してそんなことのためにあるわけではない。
この形式は「Sトラップ」である。
排水が90度曲がって壁方向に流れていくやつは「Pトラップ」である。
敢えて、下から覗き込んでみる。
こうなるともはや、
利用者ではなくて仕事人モードである。
だがしかし、
これを見ずして帰れるか!
流石に、
小口まで黒く塗られていることは無かった。
必要性も無いが。
ひょろっと伸びているワイヤーは
ポップアップ用である。
排水口に蓋をする、あれ。
「せつびストーカー」と呼ばれても構わない。
人前でやるわけじゃないから、
迷惑もかけないし。
弱味を見つけて脅迫しようなんてこともないし。
「設計」というのは
「餅を絵に描く」仕事である。
常日頃から
いろんな「餅」を観察しつつ、
ここは良い、ここは残念と考察し続けつつ
感性を磨いていきたいという気持ちもあるのだ。
……いや、それは正直じゃないな。
やっぱり、ストーカーなんじゃないだろうか。
でも、ゆるして。
「プロ意識」という事に、
しておいて。
(「洗面台廻りを観察してみた」おわり)
【関連する記事】