2018年02月17日

断熱が悪い建物ほど氷柱が育つ

レンガ造の古い建物には
趣がある。

趣はあるのだが。
断熱は無い。


だから、氷柱(つらら)が出来るのである。

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組積造の古い建物には、
耐震性もまた、無い。



だから現代使用しようと思うなら
断熱改修と耐震改修をするのが望ましい。


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自分のところの暖房費がかさむ、
壁面が床が屋根面が冷たくて底冷え感がある、
というだけではない。

氷柱が落ちて、
通行人に怪我でもさせようものなら
賠償問題である。


とは言え。


趣味ではなくて古い建物を使い続けているには
理由があったりする。

経済的なものが理由であったりしたとすると
断熱改修まで手がまわらないのも致し方ない。


費用を捻出するにしても、
まずは耐震性向上であろう。



断熱性の良し悪しは、
冬期使っている状態で見ればすぐわかる。

氷柱の成長度合いが
断熱性の悪さを如実に示す。


こういうところで、
そのまま住むのは寒くて辛い。

エアコンの暖房では、
とても足りない。

冷輻射に対抗すべく、
燃焼系の温輻射に依存することとなる。


「冬期の室内目標温度は○○℃」

なんて言っていられるのは、
断熱の良い(マシな)建物。


断熱の悪い建物なら
乾球温度だけではなく
輻射温度が温冷感に大きく影響する。


空調計画は、
本来ならば「温熱環境要素」全てについて行うべきものだ。
でも大抵は「乾球温度のみ」で検討してしまう。

「面倒くさいから仕方ない」っていうことなんだろうな。
評価・判断の仕方も、難しいだろうし、
国交省の「茶本」でも要求されない。

あとは「単に、知らない」か。


厳寒地で、
燃焼系暖房が好まれる理由こそ
冷輻射による冷感なのだ。



人間の快不快など知ったことではないとばかりに
ただ自然の摂理に基づいて氷柱は育つ。
(「断熱が悪い建物ほど氷柱が育つ」おわり)
posted by けろ at 09:00| Comment(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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