受水槽脇に「緊急取水口」が設けてあった。
こんなやつ。
水槽本体に直接蛇口をつけてあるとか、
取出管を分岐させて取り付けてあるのは
たまに目にするのであるが。
基礎をぶち抜いて取り付けてあるものは
初めて見た。
停電で、
加圧給水ポンプが動かない。
そんな時に、
せめて飲用の水だけでも取り出せたら……
そういうための、給水栓である。
そこまで切羽詰まるのは、
災害時くらいであろう。
通常時なら、
ペットボトルの水でも買いに行けば事足りるのだから。
さて、このような水栓。
設計に盛り込まれているだろうか? いないだろうか?
施設の用途にもよるだろうし、
あるのが絶対に良い、というような
代物でもないだろうし、
あっちゃいけないわけでもない。
どういう思想で設計するのか、
そういうモノである。
と、ワタクシは思う。
(「受水槽に、緊急取水口」おわり)
【関連する記事】
いうまでもなく緊急時対応です。
阪神大震災時以降、緊急時対応水栓(写真のようなもの)は、設計に必ず組み込むように指示しました。
現在、小生の元の会社でどうしているかは不明ですが・・・・。
通常受水槽には水抜きバルブが付いていますが、これの操作は面倒ですから、
緊急時対応水栓を付けることとしました。
但し、水道局の指導により水栓のハンドルは取り外してあります。
ペットボトルの水ではトイレは流れません。
給水方式の改修のアドヴァイスを求められることがありますが、直結増圧方式でも、非常用対応として、高置水槽は残すことをお勧めしております。
阪神大震災の後、心あるデベロッパーでは、緊急時の対応策を講じました。 「ケロ」さんがご覧になったのは、その対応策と思います。
「緊急時対応をするか、しないか、するならどこまで?」をどう判断するか、という意味合いで書きました。
受水槽の水は飽くまで緊急飲料用としてのみ使用しトイレ洗浄には使用しない、という思想もあるでしょうし、
便器1個くらいは流せるようにしたいという希望もあるでしょうし、
施設の用途や性格によっては「対応しない」こともあり得ることと思います。
ポンプへの取出し配管に緊急遮断弁を設けておかなければ、水栓だけ付けても水が流出してしまっていて使えないかも知れません。
役所物件なら、少々カネがかかっても「緊急遮断弁装置+緊急用水栓」をつける計画が多い気がします。