マンホールを要望している。
スラブを打設するにあたって、
そのための開口を設けてもらうのだ。
ダブル配筋の床版のところどころに
配管貫通用の紙スリーブを入れるとともに、
マンホール用の大きな開口を作ってある。
下の方の四角いやつは、
床点検口であろう。
木の板で、円形の型枠を作るのは大変そうだ。
コンクリート打設時に、
型枠がたわんだり歪んだりしないように
補強やら支えやら適切に入れておく。
このあたりの細工の適切さに関しては、
経験と勘がモノを言うんだろう。
この開口部分にはコンクリート床が無いので、
そこだけ強度が落ちてしまうことがないように
開口部を取り囲んで斜めに補強用の鉄筋が
配置される。
開口部周囲を円形に取り囲む鉄筋も設ける。
床の配筋がダブルだから、
補強筋もダブルで入れる。
重ね継手の長さとか、
かぶり厚の確保だとか、
定着長さとか、
使用鉄筋の太さとか、
配筋ピッチだとか、
緊結のピッチだとか、
構造屋さんの確認すべき事項は多い。
細かく細かくチェックしていくと、
結構あちこち、
何らかの不足があるみたい。
それぞれ、鉄筋を追加したり
留め直したり、
措置しなくてはならない。
設計する人がすべての基準を適切に適用して
施工する人がすべての部分を適切に実施して
必要な強度(と安全率)を確保した安全な建物になる。
ちゃんとやろうとすればするほど、
労力と時間を消費し、
要するにコストがかかる。
そこのところを、
ちゃんと出来るかどうか。
建物の良し悪しは、
こういう所にも現れるのだ。
(「スラブの丸い開口補強」おわり)