樹皮から繊維を取り出し、織る。
非常に手間のかかる繊維である。
18世紀後半には、本州に大量に輸出されていたそうである。
現在は、伝統工芸品として生産されるのみで
実用されることはほとんどなさそうであるが、
興味深い衣類である。
二風谷工芸館にて、
展示・販売・体験学習が
行われている。
チセなどの模型も展示されている。
漫画『ゴールデンカムイ』が連載中で、
単行本も販売されている。
春からアニメ化されるという。
かつて、「日本国は単一民族国家」と言われていたが
決してそんなことはないのである。
アイヌ、ウィルタ、ニヴフなどの北方系民族をはじめ、
南方系、渡来系、さまざまな民族の集合体が
「日本人」なのである。
小笠原諸島には欧米系の日本人がいて、
英語と日本語が混合したような言語も使用されている。
現代では、国際結婚や留学、ビジネス交流などを経て
多くの帰化者やハーフの方々がいる。
以前旅程を共にしたアフリカ系日本人の方は、
もちろん日本国のパスポートを持っているのであるが
帰国する際の入国審査で「外国人の列はあちらです」と
英語で案内されてしまう……とのこと。
赤いパスポートを見せながら日本語で
「日本人ですので」といちいち断らないとならない。
かつての固定観念は、払拭されねばなるまい。
それはともかく。
現在は、国策として『民族共生』を謳っているようである。
(「アットゥシは和人に輸出されていた」おわり)