スラブを打つ。
コンクリートは、「打つ」と言う。
「打設」とも言う。
昔は施工する際、実際に「打った」から
そう言うのだそうだ。
今は「打つ」というよりも「流す」「広げる」
そんな感じだろうか。
さて、浄化槽を埋設して、
上部スラブを打とうとしている。
配筋して、
型枠をセットしてある。
浄化槽用のマンホール部分が開口になるから、
補強筋もセットされている。
不同沈下を防止する目的もあって、
建物本体と一体化する計画となっている。
ところどころ、
下筋のかぶりが不足しているようだ。
少〜し砂を浚って、
かぶりを確保していただくこととしよう。
鉄筋のピッチは、
大丈夫だろうか?
浄化槽内部は、
3槽にわかれていて、
連通管やらブロア配管やら
内蔵されている。
撮影の都合上開けてあるが、
ゴミやら何やら中に入らないように
蓋は閉めておかないと、マズい。
建物は、「せつび」もふくめて
現場でちまちまと1つずつ組み立てていく要素が多い。
今はそれでも、
かなりのものがパッケージ化され、
また工場組立部分が多くなり、
現場で手を動かす必要が減じつつある。
昔になればなるほど、
ほんとうに1つ1つ、
文字通り「造っていく」ものとなっている。
そういう意味で、
「ケンチク」はこれからまだまだ発展の要素があるし
可能性にも満ちている。
こんなスラブも、
きっとプレファブ化されていくんだろう。
鉄筋屋さんも型枠屋さんも配管屋さんも電気屋さんも
とにかく多くの職種が人手不足気味なようだし。
ああ、そもそも
現場監督から設計者から
業界全体が人材難だった。
担い手が不足していて将来不安
と思うか、
幾つになっても必要とされて将来安泰
と解釈するか。
業界としては前者だし、
個人としては後者なんだろう。
とまれ、
衣食と並んで人間生活に必須の「住」に関わるお仕事。
全くゼロになることは無い。
今ある場で、
できるだけ最善を尽くしていきたいものである。
(「浄化槽のスラブを打つぞ」おわり)
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