各所にある。
そのうちの一つ。
消防署とつながった施設で、
市民への啓蒙を図っている。
お約束の、と言っても差し支えなかろう。
エントランスホールに陣取る、はしご車。
ちびっ子たちには、すこぶる人気である。
その上部、
吹き抜け部分に並ぶ「ノズル形吹出口」に
目を向ける子どもたちは、皆無と思われる。
誰か、気づいてくれないかな。
さて、
「防災」をテーマにした施設であるが、
昨今はモノの展示だけではインパクトに欠ける。
そこで、いくつかの体験コーナーが設けられている。
まずは、暴風。
風速30m/sを体験できる。
モニターで、中の様子を見ることができる。
吹っ飛ばされないように(!)、
バーを掴んで耐える。
モノが飛んできて目に入らないように
ゴーグルをかける。
……わけではなくて、
これは3Dメガネ。
正面に、
暴風でいろんなモノや人が吹き飛ばされる
3D映像が映し出される。
そんな趣向である。
煙避難体験コーナー。
煙で満たされていて見通しが利かない室内を
身を低くして、
そろりそろりと進んでいく。
もちろん、口と鼻をハンカチで押さえて呼吸を確保しつつ。
実際の火災とは異なり、
害のない煙(ちょっと甘い匂い)だし
火炎の熱は無いし、
薄暗いながらも照明があるし
飽くまで「体験」以外の何物でもないが、
よい啓蒙になるに違いない。
2階から入って、階段を降りて避難するフルコースの他に、
1階だけのショートコースもある。
幼稚園児などには、フルはキツイだろうから。
このほか、
消火器を操作する「消火体験コーナー」
いろんな地震波形を元に揺れを再現した「地震体験コーナー」
AED操作などを学べる「救急体験コーナー」
という各コーナーがある。
3D映像によるシアターでは、
いろいろな災害の実映像やシミュレーション映像を
見ることができる。
消防服や非常食の展示、
災害ヘリ操作シミュレーションなど
それなりのモノもある。
隣の消防署車庫内が見える
ガラス張りの通路も設けられている。
排気ガス捕集用の
ホースリールが勇ましい(?)。
この敷地周辺のマンホール蓋が
市内他地域で見たものと異なっていた。
いちいち、気になるところではある。
「防災センター」という名称の
遊び場、であろう。
実際、子どもたち・家族連れの来館者が
多そうだ。
でも「遊び場」で良いんだろう。
「防災」は、
難行苦行から学ぶようなことではあるまい。
実際に遭遇したら、否が応にも体感させられる。
むしろ、遊んで楽しんで興味を持つことを通じて
難行苦行の程度を軽減することができれば
それで十分。
維持費人件費との兼ね合いで、
費用対効果がどの程度のものであるか知る由もないが
(ちゃんと調べれば判るはずだがそこまでの意欲は無い)
なかなか興味深い施設であった。
類似の施設が、
各所にあることと思う。
一度は、訪れてみてはいかがであろうか。
(「防災センターという遊び場!?」おわり)