秋の二風谷ダムは、
艶やかだ。
カネのある年代に造られたからなのか、
意匠的にもいろんな細工が施されている。
ダムのゲートは、
建築設備で言えば要するにバルブなのであるが、
スケールが違う。
脇に、立派な銘板も取り付けられている。
秋になると、
サケが遡上してくる。
ダムで阻害されるのを防止するために
『魚道』も整備されている。
ここを延々と遡って
ダムの段差を越えるのだ。
サカナのことながら、
ご苦労なことである。
まあ、河川を遡ってくる時点で
更には、海水から淡水へ侵入してくる時点で、
全くもってご苦労なことであって、
文字どおり命を賭して遡るのである。
荒天のあとだったからか、
たくさんの流木が除去されつつあった。
(「秋の二風谷ダム」おわり)