ここでは、水素ガスも作っている。
バイオガスは、
メタンガス(CH4)主体であるため、
これを改質して水素ガスを取り出すことも可能である。
この操作のために、結構なエネルギーを要するために
実験的要素が大きいのではあるが、
この施設においては水素生産も実施している。
それなりの規模の水素プラントが
設けられているのだ。
そこから水素ステーションに供給している。
燃料電池車を走らせるのだ。
いくら毎日大量に出てくる糞尿が原料とは言え、
各農家 → 運搬 → 発酵 → バイオガス精製
→ 改質 → 水素ガス精製 → 燃料として利用
というプロセスを辿るのでは
エネルギー的にもコスト的にも
収支は絶対に合わない。
だから、実験的に公的資金(補助金)を投入しなくては
成り立ちようがない。
ここで作られた水素は、
燃料電池車の他に、
他の用途でも利用する。
フォークリフトで運搬できる
専用ボンベユニットに充填される。
水素、水素と言われるようになって
久しい。
かなりの公的資金も投入されている。
海のモノとも山のモノとも判別のつかない状態から
このような実験・実証試験を通じて
いろんな事がわかってきて、
課題も見えてきていることであろう。
何をどう組み合わせて、
エネルギー的、経済的なロスを小さくして、
最大限の効果を上げることができるのか。
そういう考察も
「せつび屋さん」の守備範囲なんじゃないかと
思うのだ。
エネルギーの出し入れと、
物質の出し入れ。
「せつび」とは、
それに関わる仕事なのだ。
(「糞尿から、水素だって作るのだ」おわり)
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