記念企画展のコーナーが設けられていた。
「『土』見本帖」展
なんだそうだ。
正面に、
巨大な『どろだんご』が鎮座し、
両脇にたくさんの
一般サイズの『どろだんご』を従えている。
たかが『どろだんご』と
侮ることはできない。
1点1点が、
えらく凝っている。
なお、
大きな『だんご』は
じつは中空である。
中をくり抜いた半球を
合わせて作り上げられているそうだ。
……と、
製作過程を記したパネルがあった。
向かって左の壁面には、
各地の『土』見本が
ズラリ。
右の壁面には、
代表的な「○○焼き」の
原料となる土がたくさん。
旧石器時代から、
脈々と焼かれ続けてきた陶器。
はるか古代、
誰かが最初に、
「この土を捏ねて、焼いたら、器になる」ことを
発見したに違いないのだ。
現代科学や測定機器類を駆使することが出来ず、
ただ、経験と勘だけに頼って
各地の焼物文化と技術とを育んみ発展させ
こんにちまで承継してきた歴史に、
思いを巡らせる機会となったのである。
(「受け継がれてきた、技」おわり)