衛生器具メーカーのINAX(イナックス)が建てたもののようだ。
2011年に、INAXほか国内の建材メーカーなど5社が統合して
株式会社LIXIL(リクシル)となった。
現在は、海外の企業も傘下に置き、
全世界的な展開を進めているようである。
さて、『世界のタイル博物館』である。
「タイル」は、
内外装材として、
せいぜい設備(衛生器具)を取り付ける面の仕上げとしてしか
捉えていなかったところがある。
そのため、タイルそのものについて
あまり意識したことはなかった。
せいぜい、建築士試験でタイル貼りの工法を覚えた程度でしかなかった。
中部空港を時々利用するのであるが、
いつもINAXの本拠地たる常滑市は通過するだけ。
いつか寄ってやろうと機会を窺っていた。
ついに、その機会を得たのである。
のっけから、
タイル攻撃であった。
内装材としても
たいへんいい味を出しているものだと
暫し感嘆してしまった。
まあ、ちょろっと30分くらい眺めて来よう、
というくらいの気持ちで入ったのに、
しっかりと魅入ってしまうこととなった。
古代のタイル(的なモノ)の数々も
展示されている。
エジプトのヒエログリフだとか
バビロンの焼成煉瓦だとか
時代を追って、
古代、中世、近世のタイルが
濃密に展示されているのだ。
あんまりタイルに興味関心を持っていなかった身なのに、
すっかり魅せられちまったのである。
いやはや。
建物全体が、
展示物を兼ねているかのようだ。
階段の仕上げも、タイル。
巾木も、タイル。
トイレ内装(これは歴史展示物だが)も、タイル。
もちろん、
来館者用トイレも、タイル。
レストランの床も、壁も、
壁にかかる絵さえも、
タイルなのだ。
ひたすらの、
タイルづくし。
なお、
正面のガラス面は
結露しやすいはず。
下部に、
電気ヒーターが設けてあった。
さすがに、
セラミックヒーターには、
しなかったようだ。
古今東西のタイルを見て
おおまかな歴史を知るには、
ここがお薦め。
(「タイルと歴史がよくわかる場所」おわり)
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