大部分が事実上の廃線・バス転換状態に
なってしまっている。
『浜厚真駅は、とっても淋しい』の記事でご紹介した通り、
鵡川以南はバス化されてしまっている。
慶能舞(けのまい)川にかかっていた鉄橋が、
平成28年(2016年)の台風に伴う荒波によって破壊されてしまった。
こんなモノでも破壊できてしまう、
波の威力よ。
辛うじて残っている部分も、
だいぶやられている。
橋脚から、
根こそぎ。
アンカーボルトが引き抜かれ、
ベースプレートがひん曲がっているのである。
破壊されてしまった部分が、
ひとまず脇に並べてあるのだが、
片付けるでもなし、
直すでもなし。
法面保護に敷設されていた『ふとんカゴ』も
えぐり出され、
転がされてしまっているのだ。
線路の道床・路盤全体が
完全に流出してしまった。
これらを直すには、
巨費を要する。
けれども、復旧したとしても
営業収入は大赤字となることは必至。
だから、復旧できない。
営利企業たるJR北海道は、
この路線を維持する気はなさそうだし、
その力もあるまい。
さりとて、沿線自治体でも
そんな財政的余裕はないし、
北海道自体にも、
大赤字路線の復旧費を出して、
さらに営業赤字補填をするような
意思も予算も大義も無い。
かくして、
日高本線鵡川以南は
事実上の廃線・バス転換になってしまっている。
鉄道は、
往年の在り方では
もうやっていけない。
まったく違う意義と
経営戦略をもって臨まなければ
存続してゆけない。
一方で、新幹線は延伸建設中。
空港も、増設に次ぐ増設。
高速道路・自動車専用道路も
次々と伸びている。
政策のあり方、
時代の変遷、
そういったものを
今、如実に感じるのが
鉄道という存在なのであろう。
(「慶能舞川橋梁の惨状」おわり)