国内の産炭地は、
たいへん栄えていた。
最初は国営で、
やがて民間企業に払い下げられたり
各社が独自開発したりして、
より広く、
より深く、
坑道が、産炭施設が整備され、
鉄道が引かれ、
街が造られ、
人々が集められた。
給与を得て働く人々だけではなく、
刑務所の収容者や
戦時捕虜や
中国人、
朝鮮人(併合された後は日本人として)など
強制労働として徴用された人々も居た。
日本人でも様々な理由からタコ部屋に押し込められ
強制労働状態の人たちも居たという。
いろいろな歴史的経緯については他に譲ることとするが、
現代では、それらの遺構を目にすることができる。
その一つ、
三笠市の旧炭鉱施設群を見る機会があった。
『ジオパーク』として整備されており、
自分たちでルートを巡ることもできるのであるが、
少々奮発してガイドをお願いする機会を得た。
三笠トロッコ鉄道では、
アドベンチャートレインなるものを運行しており、
解説をいただきながら遺構を巡ることができるのである。
ここが、出発点である。
まず、トロッコに乗り、
アトランティス号なるバスに乗り換えるようなのだが、
当日は生憎の雨模様でトロッコは省略した。
アトランティス号
道なき道(としか思えない!)を揺られながら、
遺構を巡る。
何かの施設遺構だったり。
捲揚台座遺構だったり。
ガイド付きなので、
「ここは大丈夫」という範囲で
遺構に登り、見下ろすこともできる。
もう閉山してから30年になろうとしており、
朽ち加減が半端ではないのだ。
だから、無闇に立ち入ることはお薦めできない。
遠巻きに見るだけなら、
自分だけで訪れても構わないし、
そのようなルートが整備されている。
でも、実際に登ってみたり、
近づいてみたりするんだったら、
百戦錬磨の『その道のプロ』でない限りは、
廃墟巡りはガイド付で行くべきであると思う。
シックナー遺構。
草ぼうぼうで、
もう、何が何だか。
説明が無ければ、
わかるまいて。
かつて引かれていた線路の枕木が
キャンプファイヤー状態で積んであったり、
いつのモノかわからない
小型のブルが道端に放置されていたり、
「遊び心」的な「しかけ」も
随所に見られるように思う。
この『アドベンチャートレイン』、
WEBを見ただけでは良くわからない。
その年もメニューも、
なかなか出ない。
電話で訊いても、
良くわからない。
けれど、想像以上に満足できた。
何でもかんでもWEBで見て分かった気にならないためにも、
「行かなきゃわからん」事が残されているのも
良いことなのかも知れない。
JAF割があるので、
JAF会員証を持っていれば
大人2,000円が1,900円に、
小人1,000円が950円になる。
この「世界観」が良くて、
最近はコスプレイヤーなる方々が
多く訪れるとのことである。
進撃のなんちゃら、の人が多い気がする、と
ガイドさんの弁。
名前のせい?
(「三笠のアドベンチャートレインで巡る、旧炭鉱施設群(1)」おわり)