2017年08月02日

地中熱ヒートポンプの熱源機

メーカーさんの展示会があったので
ちょいと見てきました。



地中熱ヒートポンプの、
熱源機です。


ccunthpntgnk1.JPG



いわゆる「エアコン」は、
空気中の熱を掻き集めて冷媒を暖め、
それを室内に運んで暖房します。
夏には、室内の熱を収集して冷媒に移し、
外まで運んで捨てます。


でも、
厳寒の北国では、
マイナス15℃とかマイナス20℃とかの空気から
無理矢理に熱を奪わなくちゃ暖房できない。

大変!




酷暑の南国では、
外気温が35℃とか38℃とか
下手すると40℃を超えたりするのに、
そこに熱を捨てなくちゃならない。

大変!!



「ヒートポンプ」のしくみを使って、
温度が低いところから温度が高いところへ、
自然の摂理に逆らって熱を運ぶのですが、
条件が厳しくなると
大変。


投入エネルギーに対して、
動かせる熱エネルギーの量が
少なくなってしまいます。

要するに、効率が悪くなります。



何もわざわざ条件の悪い空気を相手にせんでも、
もっと条件の良いものがあるやん。

空気の温度は年間で大きく変動するけど、
地中ある程度の深さになると
その温度は年間を通じて安定している。

そしたら、冷房も暖房も
もっと効率よくできるし、
猛烈な熱波とか強力な寒波とかやってきても
ひどく影響を受けること無く稼働できるじゃない。


そういうわけで、
『地中熱ヒートポンプ』は
結構有望な側面があるのです。


ccunthpntgnk2.JPG


配管接続部分。


結露水が滴っちゃってます。
デモだから仕方ない。

実際には、ちゃんと保温(というか、防露)をして
こうならないように対処します。

デモなのに保温しちゃうと、
みんな隠れちゃって仕組みが見づらくなるから。



右手の青い配管部分を地中に埋めて、
水←→土壌
の熱交換を行います。




ccunthpntgnk3.JPG


熱交換用のパイプの末端部分。



ただ、行って帰ってくるだけの配管なんです。




いいことづくめのような、
地中熱ヒートポンプ。


でも、欠点もあります。


熱交換用のパイプを埋めなくちゃならないから、
土工費がかかる。


外構工事の掘削範囲に合わせて水平方向に埋めるとか、
杭を打つのに合わせて垂直方向に埋めるとか、
他の工種にうまく乗っけて
土工費が余計にかからないように工夫することも可能です。
(いろいろと考慮すべきことはありますが)


また、首都圏のように狭い敷地が密集している住宅地なんかだと、
ウチの土壌と隣の土壌とで熱の奪い合いになってしまって
思っていたほどの熱交換ができない、
ということもあるでしょう。


まあこれは、
普通の空気熱源のエアコンであっても
「隣にエアコンをつけたら、
 室外機からの熱風で我が家周辺の気温も上がっちゃった」
というのと同様。


広い敷地でやったほうが有利に決まっています。



普通のエアコンほど普及・量産されていないから、
本体費も割高だったり、

水系の配管も施工しなくちゃならないから、
土工事を別にしても施工費が高くなるとか、
一概に「これ、最高っ!」
とは言えません。


いろんな条件を考慮した上で、
採否を決めるべきものでしょう。


でも、
自分がオーナーで何か建てるんだったら
使ってみたい。

そういう気はするんですよね。
(「地中熱ヒートポンプの熱源機」おわり)
posted by けろ at 09:00| Comment(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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