ちょいと見てきました。
地中熱ヒートポンプの、
熱源機です。
いわゆる「エアコン」は、
空気中の熱を掻き集めて冷媒を暖め、
それを室内に運んで暖房します。
夏には、室内の熱を収集して冷媒に移し、
外まで運んで捨てます。
でも、
厳寒の北国では、
マイナス15℃とかマイナス20℃とかの空気から
無理矢理に熱を奪わなくちゃ暖房できない。
大変!
酷暑の南国では、
外気温が35℃とか38℃とか
下手すると40℃を超えたりするのに、
そこに熱を捨てなくちゃならない。
大変!!
「ヒートポンプ」のしくみを使って、
温度が低いところから温度が高いところへ、
自然の摂理に逆らって熱を運ぶのですが、
条件が厳しくなると
大変。
投入エネルギーに対して、
動かせる熱エネルギーの量が
少なくなってしまいます。
要するに、効率が悪くなります。
何もわざわざ条件の悪い空気を相手にせんでも、
もっと条件の良いものがあるやん。
空気の温度は年間で大きく変動するけど、
地中ある程度の深さになると
その温度は年間を通じて安定している。
そしたら、冷房も暖房も
もっと効率よくできるし、
猛烈な熱波とか強力な寒波とかやってきても
ひどく影響を受けること無く稼働できるじゃない。
そういうわけで、
『地中熱ヒートポンプ』は
結構有望な側面があるのです。
配管接続部分。
結露水が滴っちゃってます。
デモだから仕方ない。
実際には、ちゃんと保温(というか、防露)をして
こうならないように対処します。
デモなのに保温しちゃうと、
みんな隠れちゃって仕組みが見づらくなるから。
右手の青い配管部分を地中に埋めて、
水←→土壌
の熱交換を行います。
熱交換用のパイプの末端部分。
ただ、行って帰ってくるだけの配管なんです。
いいことづくめのような、
地中熱ヒートポンプ。
でも、欠点もあります。
熱交換用のパイプを埋めなくちゃならないから、
土工費がかかる。
外構工事の掘削範囲に合わせて水平方向に埋めるとか、
杭を打つのに合わせて垂直方向に埋めるとか、
他の工種にうまく乗っけて
土工費が余計にかからないように工夫することも可能です。
(いろいろと考慮すべきことはありますが)
また、首都圏のように狭い敷地が密集している住宅地なんかだと、
ウチの土壌と隣の土壌とで熱の奪い合いになってしまって
思っていたほどの熱交換ができない、
ということもあるでしょう。
まあこれは、
普通の空気熱源のエアコンであっても
「隣にエアコンをつけたら、
室外機からの熱風で我が家周辺の気温も上がっちゃった」
というのと同様。
広い敷地でやったほうが有利に決まっています。
普通のエアコンほど普及・量産されていないから、
本体費も割高だったり、
水系の配管も施工しなくちゃならないから、
土工事を別にしても施工費が高くなるとか、
一概に「これ、最高っ!」
とは言えません。
いろんな条件を考慮した上で、
採否を決めるべきものでしょう。
でも、
自分がオーナーで何か建てるんだったら
使ってみたい。
そういう気はするんですよね。
(「地中熱ヒートポンプの熱源機」おわり)