そのビルの給水システムによって異なるが、
ここではどうやら
・飲用の水(上水)
・便器洗浄用の雑用水
を分けて設けているようだ。
フラッシュバルブにつながっている配管が、
雑用水管。
洗浄便座につながっている配管が、
上水管。
大便器ブースには、
元々雑用水管しかなかったから、
あとから上水管を露出で引いてきている。
そういうことなのだろう。
上水と雑用水の区別が無い施設であれば、
フラッシュバルブに繋がっている配管から分岐して
洗浄便座用に水を取ることになる。
洗浄便座の水は、
直接人体にかけるので、
「上水」(飲用可の水)を接続しなければならないのだ。
むしろ、
人間が飲める水質の水で汚物を流すのが
極めて贅沢な(勿体無い)使い方なのであるが、
上水と雑用水とを分離すると
イニシャルコストが倍加してしまうから
コストの厳しい施設だと避けられてしまう。
洗浄便座は電気を使うから、
コンセント用の配線も引いてきている。
今時の便所であれば、
トイレブース内に電源があるのは当たり前だけれども、
一昔前であれば無いのが普通であったから。
イニシャルコストが上がるから、
洗浄便座(商品名はウォシュレットとかシャワートイレとか)は
設置しない、という選択肢もあるかも知れない。
でも、建物の用途にもよるかも知れないが、
将来的にきっと欲しくなる。
取り付けたくなる。
だから、各ブース内にコンセントは設けておいたほうが良い。
スマホ充電などの「盗電対策」(むしろ、「長居対策」か)が
必要な場合もあるかも知れない。
それは、実情に合わせれば良い。
分電盤も、
将来的にきっと洗浄便座がつくはず、という前提で
予備回路なり設けておいたほうが無難だ。
「回路に余裕がないから」
「電源容量がギリギリだから」
という理由で、後づけ出来ないのは
やっぱり残念だから。
まあでも、
10年先のことは
わからないものだ。
必要になったら、
その時に考えれば良いのかもしれない。
その時の懐事情次第で、
全面リニューアルしたり、
露出配管で機能さえ果たせば可と考えたり、
すれば良いんだろう。
ホント、
昔は便所といえば、
臭い、汚らしい、寒い、暗い、
だったように思う。
けど、今や中で弁当食う人々もいるらしく、
まあそのくらいキレイになった。
単なる「便所」ではなく、
呼称通りの「レストルーム」と化してきたように思う。
「湿式の便所」など、
一般の施設では、まず見なくなったし。
(「後づけの洗浄便座」おわり)
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