施工済みの部分は公開されています。
第1期工事の、玄関・表書院部分は観覧できるようになっています。
真新しい、木造建築。
軒の細工が豪勢です。
内部、広間の襖絵や壁画は、『狩野派』の作品のようです。
空襲でほぼ焼失しましたが、一部は取り外して疎開させてあったので
現存しているものもあるようです。
それは別に保存してあり、
復元工事の場所にあるのはすべて模写だそうで。
絵心は無いワタクシですが、
圧倒される感がありました。
やっぱり、ホンモノ(模写だけど)は、
何か感じるところがあります。
襖の引き手飾り(かな?)も、
大層凝った造作です。
広間上部は、換気用なのかどうか、
格子天井になっていました。
さり気なく、照明を配置してあります。
釘隠し一つ取っても、えらく手間がかかっています。
とは言っても、現代に建てるもの。
避雷用の電線や、エアコン室外機が
異彩を放っています。
囲炉裏の上部にも、
換気口らしき細工が。
さり気なく、
コンセントと、LED照明器具。
もちろん、火報もあります。
薄暗い廊下にも、
火報総合盤とともに、
分電盤が。
不特定多数の観覧者を受け入れる施設でもありますから、
建築基準法、消防法他の現行法規は遵守されるべきでもあり。
屋外には、ちゃんとスロープも取り付けられています。
原建築には、当然無かった筈のもの。
歴史的建造物を、
現行法規の元で復元するために、
何を再現して、何を新規に設けるのか。
どんなに『邪魔』でも、
法的に(さまざまな緩和措置・特例措置を駆使しつつも)必要とされるものは
つけなければなりませんし。
センスが要るんだろうなと思います。
(「本丸御殿復元工事(完成公開部分)」おわり)