2017年03月04日

LNG火力発電所のタービン建屋・取水設備・放水路蓋渠

引き続き、
LNG火力発電所建設現場である。

今回は、燃料タンクではなくて
発電所本体廻り。


広い工事区画の中でとりわけ目立つのが、
タービン建屋。

khtntbnttywknstcu.JPG

天然ガスを燃やして、湯を沸かし、蒸気を作る。
出来上がった蒸気のエネルギーで、発電タービンを回す。
そこから誘導されて発電されるのである。


流れる水の力で水車を回して発電するのが、水力発電。

流れる蒸気の力でタービンを回して発電するのが、火力発電と原子力発電。
燃料は、石炭、石油、ガス、核燃料など、何でも構わないのだ。
水を沸騰させて蒸気にすることさえ出来れば良い。
(効率とか、パワーとか、汚染物質除去とか、いろいろ制約が異なるが)

地熱発電も、原理的には火力と違いはない。

光電効果を利用した太陽光発電、
気象・海洋に働く力を利用した風力、波力、潮汐力発電など、
発電の手段は様々である。



福島で、原子力発電所がああいうことになった。
審査基準を厳しくして再審査を実施し、
再稼働されている原発も出てきているが、
「たかが湯を沸かす」のに、あれほどのリスクを許容して良いものかどうか。

ということもあろうし、
当面の電力の安定供給という課題もあろうし、
LNG火力発電所は必要とされていると言えよう。



蒸気によって発電する施設には、
冷却用の水が必須である。

火発であれ、原発であれ、
河川や湖や海の近くに建設されるのは
冷却水を確保するためである。


よって、それぞれの発電所には
「取水設備」「放水設備」が設けられる。


取水設備は、海岸から水を取り入れ、
タービンに送るためのもの。

海藻や貝殻や魚類や砂など、
海水中に含まれる「ゴミ」を適宜取り除き、
冷却水系に詰まってしまわないようにする。

その取水設備も、絶賛築造中であった。


ssistbnckzucu.JPG


取水するのであるから、
最初の段階は海面下のレベルとなる。
よって、地下工事である。

この手の土木構造物に使用する材料は、
建築のそれとはかなり異なる。

コンクリートの強度にしても、
鉄筋の太さにしても、
全然違う。

普段、建築にしか触れていないと、
驚くことばかりである。



冷却に使用した水は、
捨てなくてはならない。

そのために、放水設備を設ける。


海岸から取水したのだから、
そのまま海へ放水すればよさそうなものだが、
放水した水をまた取水してしまう
「ショートサーキット」は防がなくてはならない。

沿岸の海水温がどんどん上昇してしまうのも、
よろしくない。
漁業資源に悪影響を及ぼす恐れがあるのだ。


ここでは、
発電所から出た水を、
放水路蓋渠により海岸近くまで送り、
放水路立坑から地中深くのレベルまで下げ、
海底トンネルを介して、
沖合1kmほどの位置に設けた放水口から海に戻す。

港湾の防波堤よりも沖合側から放水すれば、
広い海洋の水によって
発電所からの廃熱が拡散され、
周囲環境への悪影響が薄まるのである。

ちなみに、冷却水の温度差は7℃程度だそうだ。
13m3/sという、
一般的な建築設備の千倍も多い水量である。
そこで運ばれる熱量たるや、莫大。


放水路蓋渠の築造風景は、この通り。

husirnckzucndst.JPG



建築における「冷却水設備」とは、
規模が圧倒的に違いすぎる。

口をあんぐりと開けて、
ただただ圧倒されるのみなのである。


さまざまな建機と、工法と、材料と、
日々たゆまぬ研究開発によって、
これらの工事が実現している。

日々、新しいものが開発され、
日々、適用されていく。


だから、いつも新鮮。

技術の一端に携わる者として、
興味深いことこの上ないのだ。


この発電所の全体像に関する説明は、
ここで見ることができる。
(「LNG火力発電所のタービン建屋・取水設備・放水路蓋渠」おわり)
posted by けろ at 14:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/447582693
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック