ロックウール断熱を施すこととなっています。
なっているのですが。
とある、改修現場にて。
新しくキッチンを設けるために、
排気ダクトを新設しまして。
訳あって、
設計施工での改修。
故あって、施主側代理で関わるようになったんですけど、
「せつび」に関する対応に、
いろいろ気になる部分もあって。
設計打合せの際に、何気なく
「レンジフードダクトは、ロックウール巻きですよね?」
と訊いてみたところ、
「???」
要領を得ない様子もあったものですから。
うっかりされても困る(こちらも、施工者も)ので、
レンジフード排気ダクトには、
ロックウール断熱を施していただきたい旨を説明して
盛り込んでもらっていたはずなのです。
設計図にはもちろん、
「ロックウール断熱」
と明記していただきました。
施工前にも、
「一応、確認しておきますが、
レンジフードの排気ダクトには
ロックウール断熱をお願いしますね」
念のため、
伝えておいたところです。
伝えておいたんですが。
「はい、わかっております」
お返事も、頂戴していたんですが。
「ご要望のように、ダクトは断熱材で巻いておきましたよ〜」
と、送られてきたのが、この写真、とな。
ちょいと、ごめんなすって。
ソレ、天井裏に敷く断熱材じゃね?
MJマット MAG435って、
ロックウールじゃないし。
グラスウールだし。
どうせ天井上を断熱するし、
おんなじ「断熱」だから、
一緒に巻いとけば一度に済むし、
アッタマ良い〜。
なんて思ったわけではないと思うんですけど。
「写真、見ました。
すみませんけど、これ、ロックウールじゃないですよね。
ダクト断熱用の材料でもないし。
当初からお願いしていた事項なので、お手間をかけますが
やり直していただけませんか」
せっかくここまで進めていただいた段階ではありますが、
やり直しをお願いしたのでした。
うるさい事言って、すみませんね。
でもね、でもね、
だからこそ、設計前の段階から、
最初っから、お伝えしたはずですよ?
施工前にも、念を押したはずですよ?
まあでも、誰でも間違うこともあるし、
現場の職人さんへの伝達とか、
行き違いも有り得ますもんね。
ともかく、直れば良い話ですから。
半月後。
「内装も、だいぶ進んできました。
例のダクトの断熱も、
ちゃんとロックウールに直しています」
写真とともに、進行状況を知らせて下さいまして。
まあ、なんということでしょぉ〜〜〜。
確かに、これはロックウールですねっ!
ハッキリと書いてありますもんねっ!
でもね、でもね、
それでもね。
これは、違うの。
外壁の断熱に使う材料なの。
ダクトの断熱に使うものじゃ、ないんです。
これ、防湿のために、ビニールで覆われているでしょ?
熱い排気が通るダクトに、
直接このビニールが触れているのは困るじゃない。
ロックウールは、断熱材だし不燃物だし、
火で炙っても燃えやしませんが、
このビニールはどうなの?
まずいよね?
さてさて。
ふたたび、お願いせざるを得ませんでした。
「これは、ダクト用の断熱材じゃないので、
むしろ危険です。
当初の意図通り、
ダクト用のロックウール断熱材で施工して
もらえませんか?
建築の断熱屋さんじゃなくて、
設備の保温屋さんに訊いたら、わかりますから」
伝え方が、
悪かったのでしょうか?
最初っから、
設計前から、
お伝えしていたのに?
こちらからお願いした事項は、
そんなにたくさん無いんです。
ごく僅かな項目の一つが、
このロックウール断熱だったんですけど。
ここの施工会社さん、
リフォーム・改修工事を専門としている会社のはず。
今までだって、
数限りなく、
レンジフードも設置してきたし、
その排気ダクトも、据えてきたんじゃないですか?
一体、それらの施工現場では、
ダクト断熱はどうなっていたのでしょうか?
……ちょっと、怖いかも。
いや、たまたま、
この現場で、
いろいろ特殊な事情が重なって、
こんな事態になってしまっただけで……。
他は、全部、完全に大丈夫なんで、
安心して……と言えるのかな?
年間約900人(平成27年・消防庁統計)に上る
住宅火災による死者のうち、
数人分に関与している恐れは無い?
たまたま、
ワタクシが『せつび』の人間だから、
気がついてしまったのでしょう。
今回は、ダクト断熱の件でしたが、
これに限らず、
いや、設備に限らず、
更には、建築分野に限らず、
似たような「手違い」は
いろんな分野で、場面で、
あるんでしょうね。
さて、
くだんの案件(用語がダブってる……)。
最終的には、
ダクト用のロックウール材を巻いていただき、
アルミガラスクロスで仕上げ、
下がり天井内に納めていただくことができました。

なお、
下がり天井も、天井点検口も、
当初より設計に盛り込んでいただいている内容です。
良かった、良かった。
とりあえず、この件は、片付いたのでした。
某スーパーゼネコンの社員の方に、
聞いたことがあります。
「普通に売られている住宅って、信じられないくらい安いんです。
我が社で建てる通常の建物と同様の施工管理・品質で建てると、
1軒当たり2億円くらいかかってしまいます。
だから、我が社ではほとんど住宅をやりません。競争にならないから。
それでも構わない、というお金持ちのご要望がある程度で」
そこまでの施工管理が必要なのか、
そこまで高品質である必要があるのか。
価値観や好みや意見はさまざまでしょう。
評判や噂がどうだとか、
誰々が何と言ったとか、
そういう事も参考にはなりますが、
結局のところ
「自分は、どう考えるのか」
「そう考える根拠は」
自分自身が理解し納得できるうかどうかで
決めていくしかありませんね。
ちなみに、この工事をして下さった会社の皆さん、
「ロックウール」以外の点については、
本当に良くやっていただきました。
真摯にご対応いただきましたし。
だから、べつに怒っちゃいません。
ただ「知らないって、怖い、かも」
と考えるきっかけをいただきました。
(「火気ダクトにはロックウール断熱をば」おわり)
おっと、「笑わせて」なんて言ったら失礼ですよね。
わる気が無いのが分かっているので、いっしょうけんめいやっていただいてるので、「伝え方が悪かったのか」って言葉が、頭の中をめぐります。
いやあ、でも、別の所から、違う言葉がつい聞こえてきて、やっぱり笑っちゃい
ました。
聞こえますか! キコエテシマイマスヨネェ……
まぁ、良い勉強になりました。
先方にとってもそうだったら嬉しいですけど。
(しゃしゃり出てきた邪魔な煩い奴、としか受け取られていないと、
ちょっと残念)
ダクトの素材自体もアルミですよね?
IHの場合はアルミの場合もあるようですが鉄フレキでなくていいでしょうか?
はい。そうですね。
もういいや、せめてちゃんとRW巻いて。
そんな感じで済ませました。
IHではありますけど、
油分が含まれる蒸気も出るので
スパイラルで全部繋げて欲しいところではありましたけど
そこは図面に明記してもらっていなかったので。
これって管轄の建築方?消防法?でも違うんですね。
うちのエリアの消防署に確認したら、こちらではガスでもIHでも
アルミ蛇腹のダクトで可燃物との接触部のみロックウールでOKと
言うことでした。
工事する側は簡単でいいですが施主側では不安ですね^^;
所によって結構違ったりして、
それはそれで興味深いことです。
我が家も建築時にアルミフレキで断熱材無しの施工をされ、引渡後に自腹を切ってスパイラルダクトに断熱材を巻いてもらいました。
この件で地元の建築士会に相談すれば、色々明記しなくてもレンジフードの取付説明書に従って取付けのするのが普通だそうです。気になるのなら、取付説明書に従って施工してくださいと言えばいいだけです。
消防法では、”滑らかなと”と記載がありフレキ(アルミフレキ)の使用は東京都同様で指導はしてないが推奨はしていません。
リフォーム会社の担当者も「聞いたことが無い」みたいな事を言っておられましたし、
「断熱なし」がまかり通っている現状があるようですね。
よろしければ、またお越しくださいませ。
壁のロックウール巻きとは凄いですね。一瞬、冗談かとおもってしまいました(失礼)
私は5回引っ越しましたが、キッチン換気扇には散々な目に遭いました。
ます、30センチのプロペラファン。キッチンフードに収まっていましたがプラスチックの羽根で変形。木枠も焦げていました。
次に、150φダクト式レンジフードファン。何と排気管が水道工事の塩ビパイプとエルボでした。
その次は、アルミのフレキで無断熱でした。
そして、鉄のフレキダクトでしたがこれも無断熱。
現在は、鉄のスパイラルダクトでロックウールにアルミ箔。なぜか亀甲形の金網までついています。
建築確認申請ではいろいろ指摘を受けるはずの断熱ですが、
既存不適格、改修、リフォームなどなど、チェックも何も無い事例が多いのでしょう。
隠蔽部分の保温材を亀甲金網で押さえるのは結構一般的だったりします。
機会があれば、天井内や壁内の配管・ダクトを見てみて下さい。
よろしければ、またお越しくださいませ。
RWはどこそこにだけ使うものとは限定されていません、ただすぐ断熱がはずれてしまうものは論外ですが、どこだけに使うRWというものはありません。RWはRWです
そうです。RWはRWです。でも、写真のように袋に入った状態のままビニールテープで巻きつけるのって、どうでしょう?
袋から出して、鉄線やアルミテープで留めてくれるのならば、もちろん構わないんですけれど。