吹出口が取り付けられている。
このテの形式の吹出口は、
『ユニバーサル形吹出口』と呼ぶ。(国交省用語)
その中でも、
縦(垂直方向:vertical)のルーバーと、
横(水平方向:horizontal)のルーバーとがついているものは
VH と呼ぶ。順序が逆なら、HV だ。
縦だけの V や
横だけの H もある。
ルーバーの奥に、
開閉具合を変えて、
若干の風量調整ができるシャッター(shutter)を
組込んでも良い。
シャッター付のVHなら、VHS だし、
シャッター付きのHなら、HS となる。
これらのルーバーは、
手や工具で動かして角度を変えることができる。
角度を変えて吹出空気の流れを微調整すると、
冷暖房の際の室内温度分布をより良くすることが
可能である。
たくさん吹出口・吸込口がついているスペースなら、
これらの微調整によって、
室内空気環境を改善することが可能だ。
新築時には、一通りの設備工事が出来上がったあとに
「試運転調整」を行い、それなりに調節する。
けど、実際に使っていると、
その部屋の滞在人数とか、
机やロッカーの配置だとか、
完成時とは条件が変わっているので、
再度調整したほうが良いに違いない。
もし、こんなモノが目に留まったなら、
そして、それを調整できる立場にあるなら、
やってみてはいかが?
職場の執務環境改善にも、役立つんじゃないだろうか。
ここまで紹介した「ユニバーサル形」の制気口
(吹出口、吸込口を合わせて「制気口」とも呼ぶ)の他に、
「スリット形」というのもある。
見た目はユニバーサル形と大して変わらないが、
ユニバーサル形のグリルが動くのに対して、
スリット形のグリル(スリット)は、固定されていて動かない。
よって、調整できない。
調整できないと、何かと不便なので、
吹出口にはユニバーサル形を、
吸込気流はどうせ吸込口に集まってくるだけで
あんまり調整の意義が大きくないので
吸込口にはスリット形を使ったりする。
縦グリル(grill)にシャッターがついていれば、
GVS だ。
空調ダクト図や、換気図を見ると、
こんな記号が書いてあるのに気づくかも知れない。
(「壁付のユニバーサル形吹出口」おわり)