当然のことながら、オモテ側には
「せつび」が見えない造りになります。
「せつび」は、「建築付帯設備」と呼ばれていました。
今だって「付帯」には違いがないのですが、
内容的にも金額的にも、
昔とはその位置づけがずいぶん変わってきました。
換気なんて無し。窓をあければ良いじゃないの。
冷房なんて無し。団扇と風鈴でしのいでね。
暖房は、主要室だけに石炭ストーブ。
煙突は、集合煙突で。
暗くて狭いトイレと、じめじめした湯沸し室と。
官庁施設と言えども、そんな建物ばかりだったのに。
そんな昔風の外観で新しい建物を造る場合には、
オモテに「せつび」が出てこないように、
工夫することとなります。
(「『せつび』が見えない建物」おわり)