2016年08月11日

トタン屋根に雪割り

トタン屋根には、時として
「小さな屋根」のような形状の「雪割り」が
ついていることがあります。

たとえば、こんなの。

ykwrtentt1.JPG

屋根に積もった雪は、
屋根勾配に沿って、
だんだん下に落ちてくるのですが、
「ここには雪が落ちてきて欲しくない」部分だって
あるわけで。

そういう所には、
こんな「雪割り」を設けて
上からの雪を左右に「割る」のです。


何のために?


たとえば、そこに出入り口がある場合。

ドアの外に、雪が落ちてきていたら
出入りできなくなってしまいますから。



上の写真には、雪割りの下にドアはありません。
でも、外壁に穴が開いているのがわかるでしょう。

この穴から出てくるものが、
屋根からの雪で押しつぶされないように
しているわけ。

穴から一体何が出てくるのでしょうか?


たぶん、
煙突か、湯沸器の排気トップ。



玄関や煙突が、
屋根の妻側についている場合には、
雪割りが無くても済みます。

ykwrtentt2.JPG

この家は、「妻入り」に該当しますね。
寺社仏閣の様式で、
「平入り」「妻入り」を記憶しておられる方も
いらっしゃることでしょう。


落ちてくる雪の処理に困るので、
雪国でも勾配屋根を避ける傾向が
あるようです。
(ワタクシの周囲の状況しかわかりませんが)

ひと冬の間、雪を載せたまま耐えられる
「無落雪屋根」にしてしまえば、
除雪の労力が減りますからね。


でも、敷地に余裕があって、
勾配屋根を選択する場合には、
「雪割り」に配慮すると良いでしょう。

イマドキ、新築の住宅で煙突式ストーブを採用
する所は多くないのでしょうが、
暖炉を設けるとか、
薪ストーブをつけるとか、
給湯や暖房用熱源の給排気トップを付けるとか、
眺望を重視した窓をつけるとか、
「屋根からそのまま雪が落ちてきたら嬉しくない場所」は
やっぱり存在するもの。

普段、雪と縁遠い地域の設計者は、
冬に多雪地域の住宅街を歩いて回ると、
いろいろと参考になることも多いでしょう。
(「トタン屋根に雪割り」おわり)
posted by けろ at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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