そして、倒れたという話はそんなに聞きません。
倒れにくいように作ってあるから。
人が歩くところ、車が走るところ、
たいてい電柱だらけです。
あんなものが、バタバタ倒れてきたら怖いことです。
でも、電柱が倒れたなんて言う話は
そんなに頻繁に耳にしません。
大地震で倒れた、
台風による強風で倒れた、
大型車両が激突して倒れた……
ごくたまに、そんな報道があるくらい。
そうそう倒れないということは、
倒れにくい仕組みが用意されている、
ということでもあります。
あれって、ただ棒が地面に突き刺さっているわけでは
ありません。
埋まっている部分には、
根枷(ねかせ)が取り付けられ、
引き抜き力に抵抗するようになっているのです。
それとともに、電柱にかかる力に対抗する措置として
『支線』を取り付けます。
文字通り『支えるための線』です。
電柱から斜めにひっぱって地面に取り付けられている、
下のほうにはトラ柄のプラスチックガードが取り付けられている、
アレです。
でも、斜めに張り出す支線は、結構邪魔なもの。
この電柱、手前側と奥側、そして右側に電線が張られています。
(左側は、引込線)
手前側と奥側とは、それぞれから張力を受けるので
釣り合って大丈夫なのですが、
右側に伸びる電線から常に右に引っ張られるので
放っておくと電柱がだんだん右に傾いてしまうはず。
それを防ぐため、支線で左側に引っ張って支えています。
でも、歩道に斜めに支線が出ると邪魔。
アーム(赤矢印)を介して支線(青矢印:ちょっと見づらい)を設置することで、
支線まわりの空間を有効に利用することが(この場合には歩道として)
できるようになります。
これが、『弓支線』。
身近に見つけることはできますか?
(「電柱を支える弓支線」おわり)
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