『ダクト』と呼びます。
このダクトが防火区画を貫通する場所には、
『防火ダンパー』が設置されています。
建物の中のどこかで火事になっても、
広い範囲に燃え広がることがないように、
ところどころに『防火区画』を計画します。
材料やら工法やら、いろんな対策を施して、
その防火区画の片側で火が出ても、
1時間とか2時間とか耐えて、
反対側の部屋まで燃え広がらない。
そうしておけば、避難する時間を稼ぐことができ、
人命が助かりやすい。
そういうのが『防火区画』です。
ある部屋と廊下の間とか、
相互の部屋同士とか、
いろんな基準に基づいて
計画するわけ。
昔だったら、
ホテルの1室や、マンションの1室が火事になると、
隣や上の階にどんどん燃え広がって
大変なことになりました。
でも最近じゃ、国内でそんなニュースは滅多にありません。
ニュースになるのは、
現行基準に合っていない建物の場合。
法律ができる前に建った建物だから、
適合していないけど仕方ない、という場合
(『既存不適格』と呼ぶけど、違法じゃない)もあるし、
消防法みたいに、
建ったあとで法律が変わっても
適合させる義務がある規定もあるんだけど、
「先立つモノが無い……」とか言い訳して
なかなか対応しなかったら、ついに火事になっちゃった、
違法・違反である場合もあります。
そんな『防火区画』があったとしても、
人間の呼吸のためとか、
冷暖房のためとか、
空気を送る必要があります。
『ダクト』部分で『防火区画』に穴が開いているわけで、
そのままだと、ダクトが延焼経路になってしまいます。
そこで、
「一定の温度を超えると、ヒューズが切れて閉まってしまう」
扉のようなものを取り付けておき、
イザという時に備えておくのです。
この『扉のようなもの』を、『防火ダンパー』と言います。
小さいですが、赤い家型のマークがついています。
これは、一般財団法人日本建築センター
http://www.bcj.or.jp/
のマークです。
この防火ダンパーは、
ちゃんと、基準に適合している製品ですよ、
ということを表示しています。
普通は天井板が貼ってあるので、
こんなモノは見えません。
でも、「それが設置されていること」を確認できるように、
近くに天井点検口が設けられています。
万一ボヤでも出して、
防火ダンパーが閉まった時、
火が収まって後片付けが済んだら
ダンパーも開けなくちゃいけませんし。
天井点検口が身近にあったら、
ぜひ開けて覗いてみて下さい!
『防火ダンパー』が、見つけられるかも知れません。
(「『防火ダンパー』ってものがついているんだ」おわり)