やっぱり物事、見なきゃわからん。
子供の頃から、
教科書とか、
資料集とか、
いろんな場面で見ているわけです。
いつ頃、どの辺で発見されて、
どういう類のものであるか、
だいぶ忘れてしまっているとはいえ、
基礎知識もあるわけなんです。
でも、それでも、
実物を目にしたところ、単純な驚きが。
「えっ……。この小さいのが?」
国宝金印『漢委奴國王』
(ショーケース下部に鏡が設置してあり、
印面も見られるようになっています)
漢から賜った、権威の象徴たる金印。
今まで漠然と持っていたイメージでは、
10cm角、もしくは15cm角くらいの、
それはそれは大きな、
そして金塊ゆえ、もの凄い質量の、
そんな印鑑であろうと、
無意識のうちに認識していた、
ということなのでしょう。
小ささに驚いたということは。
「そんなに大きかったら、重過ぎて押せないじゃん」
そういうツッコミを周囲から受けつつ。
あまりにも小さくて、
はっきり言ってよくわからんので、
大画面のタッチスクリーンで
3Dデータの超拡大表示がしてあって、
自在に観察できるようにしてありました。
記念に、売店で土産物のゴム印を購入しまして。
持って帰ってきて、いわゆる社判(角印)と並べてみると。
うん、同じ大きさだ。
角印のサイズのルーツは、ここにあるんだろうか。
二千年にもわたって受け継がれているとは……。
とにかく、
「知ってるつもりの事でも、意外と知らないもんだ」
だから、というわけではなく、
単に楽しいから、
そういうの好きだから、
時間が許せば、訪問先の博物館やら資料館に入るのです。
(「実物を見て初めてわかること」おわり)