「せつび」には水が流れている『水配管』が結構あります。
水の中には、空気が溶け込んでいる(だから、魚が生きられる)のですが、
小学校の理科でやったように、
水の中に溶けこむことの出来る空気の量は
その温度によって変化するわけで。
水温が高くなるほど、その中に溶けこむことができる空気(酸素とか)の量は、
少なくなります。
砂糖や塩などの固形成分は、
温度が高いほどたくさん溶けることができるのですが、
気体の場合には、逆なんです。
温水や給湯など、水を温めて使用する「せつび」の場合、
もともと溶け込んでいた空気が、
温めた結果溶けきれなくなって出てきてしまいます。
空気中に溶け込んでいた水蒸気が、
冷やされて結露するように、
水中に溶け込んでいた空気が、
暖められて気泡となって出てくるわけ。
気泡が混ざった状態だと、
配管途中に空気溜まりができたりして、
水の流れが悪くなってしまいます。
水やお湯がスムーズに出てこないとか、
ブシュッ、ブシュッと、泡が混ざって吹き出してくるとか、
温水の回りが悪くて暖まらないとか、
気泡が一緒に流れるので「ガラガラ」「ゴロゴロ」音がするとか、
いろいろと不都合が生じてきます。
それをなくすため、
空気溜まりが出来やすそうな部分に
「自動エア抜き弁」を取り付けます。
赤い矢印が、自動エア抜き弁です。
自動で抜かれたエア(水滴混じり)は
細い配管を通じて排出され、
排水側溝などに放流されます。
自動エア抜き弁は、配管内のゴミで詰まったりして
作動不良になることも少なくないので、
手前にバルブを付けておいて、
取り外ししやすいようにしておきます。
温水配管は、一度しっかりエア抜きをしておけば、
内部温水の入れ替わりが無いので
エア抜き弁手前の手動弁を閉めてしまって
エア抜き弁の詰まりを防ぐこともあります。
ちゃんとお金をかけられるなら、
もっと効果の高い「気水分離器」を
設置したほうが良いのですけど、
コストカットの名目で取りやめになることも
しばしば。
でも、自動エア抜き弁くらいは、つけて置いたら良い、
いや、付けておくべき!
そんなに高価なものではありません(1万円くらい)し、
メンテ上のコスパはかなり良いはずですので。
(「自動エア抜き弁をつけよう」おわり)