プロセニアム形式。
施設調査に行った折、
見る機会がありました。
客席を縦に積み、
ステージとの距離の近さを
追求したとか。
上部の反響板。
「特定天井」にあたるんでしょうけど、
「吊り」じゃなくて「鋼材でがっちり」固定するように
しています。
各所で起こる大地震を思うと、
これが落ちてきたら怖すぎますもんね。
ステージ側面の反響板も、
重いのなんの。
時代が進めば進むほど、
建物の耐震性能は高くなっています。
古い建物ほど、
脆弱。
「耐震補強」の必要性は、
ますます高まっています。
古民家再生や、
リノベーションに際しては、
よくよく注意しないと、危険ですね。
構造を無視したデザインだけの改装が、
デザイナーさんだけの関与で実施されることも
少なくないようですが、
ぜひとも構造技術者の関与を求めてほしいなと思う次第。
あと、よくある誤解。
建築基準法の「耐震性能」は、
震度7の地震でも「倒壊しない」というだけ。
(家具などを固定してさえいれば、最低限、人間の命だけは守られる)
ひび割れたり傾いたりするのは
想定内です。
震度7の地震が連発しても耐えられるようにするとか、
震度7の地震が発生しても、以後も問題なく居住できるとか、
そういう事を求めるのならば、
建築基準法で求めている以上の耐震性能を持った
設計をしなければなりません。
(当然、コストも余計にかかります)
建築確認申請を通るだけの「基準法ギリギリ建物」に、
ひび割れない、傾かない、震災後も問題なく住める、
ということを求めるのは筋違いです。
たいていの
『予算が厳しくて、なるべく安価に建てることを期待される建物』
(店舗とか、マンションとか)は、
「ギリギリ建物」です。
そういう前提で、考えときましょう。
(「プロセニアム形式のホール」おわり)