2016年03月26日

書いておくと、便利なんだけど

設備って、出来上がってしまうと
何が一体どうなっているのか、
わからなくなってしまう場合があります。

設備工事をする際には、一応設計図なるものがあって、
それに基いて施工計画を立てるのですが、
設計図自体が結構「あいまい」で、
他工種との取り合いや納まり検討が不十分だったり、
意匠・構造・電気設備と並行で設計を進めるため
そもそも検討材料が揃っていなかったり、

そんなこんなで、
設計図通りの配管・ダクトが設置されていることは
そう多くはありません。

時間と業務費が十分にあって、
センチメートルレベルの精度を三次元で確保した
設計が無いわけではありませんが、
なかなか……。
(設計担当者の、苦しい言い訳だったりします)


現場の職人さんが施工に都合の良いルートを見つけて
より良いモノを作って下さることもあるし、
設計図での落ち・抜けをリカバリーして下さることは
数知れず、

一方で、いろいろと検討に検討を重ねて
「こうやって欲しい」という思想を
詰め込んだつもりの図面が、
見事に反故にされてしまうこともあるし、

「工事発注時の設計図を保管しておけば、
 現状が完全にわかる」

なんていうことは、ほぼ、あり得ないのです。


工事完成後、施工業者さんが
「竣工図」「完成図」を提出することが多いのですが、
厳しい工期の中で現場を仕上げた後で、
現場状況にピッタリ合わせて図面を描く、なんてことは
あまり行われていないような気がします。
(ワタクシの関わってきた範囲では……)

だって、改修設計をしようと思って、
前工事の設計図、完成図を発掘してきて現地と照らしあわせてみて
その通りだった試しは、ほとんど無いんですから。

運良く施工図が保管されていたりすると、かなり助かるんですが、
そんな事は滅多にありません。


改修設計のために現地を調査すると、
必ずと言っていいほど、

「この配管は、何?」

「この管は、どういうつながりになってるの?」

そんな疑問に出くわします。


配管が全部露出で見えていればまだしも、
大抵は、配管などというものは、
天井の中とか壁の中とか床下とかコンクリートの中とか地中とか、
よく見えない所に通されているもので。


パズル、推理、そんな状況に陥ることもしばしば。
(そして、それが結構楽しかったりもするんですが)



完成図の精度を高めることも必要ですが、
(作る方のご苦労は、あるんですが)
それと同時に、現地にしっかりと書いて(表示して)
おくのも良いんじゃないでしょうか。


設備機器類には、
こんな刻印の銘板が付けられていることが
多いものです。
stbkknhyj2.JPG

ただ、この金属プレートの銘板って、
読みづらいんです。

フラッシュを焚くと、
反射してしまって文字がうまく写りづらいし、

汚れたり傷ついたりすると、
判読できなくなってりもします。
stbkknhyj3.JPG

それでかどうだか、
テプラやシールで表示している例もあります。
stbkknhyj.JPG

これだととても読みやすいし、
撮影にも良いのですが、
耐久性は金属刻印と比べると
劣るかも知れません。


ただ配管して保温材を巻いただけだと、
それが一体何を流す管なのか
誰にもわからなくなってしまいますから、
要所要所に表示が欲しい所です。

yuttngrhukunksi.JPG

用途と、流れ方向が記してあります。
これだけの情報でも、かなりありがたい。

欲を言えば、

・配管口径
・系統
・施工年
・改修した場合は、新旧の境目

あたりも表示されていると、
とてもとても助かります。


ある現場では、ポンプの機器番号と用途を
プレートに書いて吊るしてありました。

stbkknhyj4.JPG
交換用の消耗品の型番なんかも貼っておいて、
メンテの際にわかり易いようにしてありました。

stbkknhyj5.JPG
これは、小便器のセンサーに貼ってあったもの。
電池式のセンサーだったのですが、
電池交換時期の目安を貼ってありました。
これだと、担当が替わっても大丈夫ですね。


中には、施工者名が書いてあるプレートが貼ってある
現場も。
kuchuhkyusi.JPG

会社名(画像では消してあります)を書かれても……
という気もしますが、書いて残しておきたかったんでしょうか。


兎にも角にも、
「表示しておく」ということは
後々のためにとても役立ちます。

施工の際には、
また、監理の際には、
時間とか予算とか人手とか、
いろいろご都合もあろうかと思いますが、
なるべく表示を充実させていただけると
ありがたいなと思う次第。



配管やダクトも、それなりに大変なのですけど、
電気のケーブルもなかなか厄介そうです。

電気屋さんって大変だなと、いつも思います。
(「書いておくと、便利なんだけど」おわり)
posted by けろ at 01:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ブログ拝見しました。設備にも寿命があるし交換が必要な時もある。AEDとかビルなどに設置されてるけど正直使う機会はないです
が!これがバッテリーがなくなっていたら役立たずだしそういうことがないようにテプラなどで表示をするのは大事ですね!
AEDは高いですが・・・
Posted by Paper at 2016年03月28日 21:06
Paperさん、いつもありがとうございます。
お返事遅れました。
ちょっと遠方に出ておりました。

AED……使わないに越したことはないんですが。
イザという時に、ちゃんと使えることも大切ですね。

何度か講習を受けましたが、
イザ、の際に使えるかどうか、
自信はありません。
(まあ、セットするだけなんで、
 何とかなるとは思います)
Posted by けろ at 2016年04月02日 17:16
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