2015年11月28日

大空間用の吹出口は、やっぱりノズルかな

今までも時々取り上げていますが。

大きな空間を空調する場合、
吹出口から離れた空間まで空調空気を到達させる必要があります。

そんな場所では、「ノズル」が使われます。

壁からノズル.JPG
1・2階吹抜空間の、2階通路下にダクトを沿わせて、
横向きに吹き出しています。

この空間の上部にはどうせ人がいないから、
暑くても寒くてもどうでも良い。
主としてこのノズルから下の、
人間が活動する部分だけを空調出来れば構わない。

そんな場合、こんな感じでノズルを配置します。

展示ホールとか、体育館のアリーナとか、
2階部分に通路やギャラリーがある場合には、
ダクトの納めを考えてもやり易いですね。


天井からノズル.JPG
高い天井の上から、真下に吹き出す場合もあります。

天井が高くなればなるほど、
吹出しの勢いを強くすることになります。

圧力を高くして吹出口の開口面積を小さくすれば、
水道ホースの先を潰したのと同じで遠くまで届きますが、
吹出し騒音が大きくなってしまう、
空調機ファンの静圧が大きくなるのでモーターも大きくなり、
電気代も嵩むようになる、などの弊害も生じてきます。
それなりのバランスを取る必要があります。

スペースや意匠の関係で壁面にノズルを並べられない、
対向壁面までの距離が結構ある、
空間全体の空気状態をある程度均質化したい、
そんな場合に、天井から吹き出されることが多い気がします。

武蔵野プレイスに行った時に、
ああ、こういう並べ方も面白いなぁと思った記憶があります。
あそこは、一般的な製品のノズルではないように見えましたが。


冷房空気は、冷たくて重たいので、下方向に行きやすい。
暖房空気は、暖かくて軽いので、上方向に行きやすい。

そのため、夏と冬とで吹出し方向を若干変えたり、吹出風速を変えたり、
調整ができるようにしておくと、効果が高まります。
そういう場合、いちいち1個1個の吹出口を調整して回るわけにもいかないので
(まあ、暇ならやってもいいんですが)
「夏モード」「冬モード」の変更を、自動制御で行う場合もあります。


これらのノズルから吹き出した分の空気は、
どこかから回収しなくてはなりませんから、
そのための吸込口を、どこに、どのように、どのくらいの個数配置するか、
ダクトを連ねてどのように空調機に戻すか、
そういったルート検討も必要になります。

静寂性を重視する施設では、
騒音レベルを計算の上、適切な消音をしなければなりません。
(「大空間用の吹出口は、やっぱりノズルかな」おわり)
posted by けろ at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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