先日、「ちょっと話をしませんか」ということで
お茶しながら……。
実はこの方、尋常ではない働き方をしているように、
わたしには思えていました。
血を吐いたこともあるそうで、肉体的にも精神的にも
相当きつそうでした。
だからといって、破格の待遇というわけでもなく。
経験も豊富で、調査も打合せも作図も積算も省エネ計算もできるし、
国の仕事も自治体の仕事も、民間案件も海外資本物件さえも経験しているし、
建築設計も設備設計もどちらも実務レベルで出来るし、
何もそこまで大変な状況を受け入れたままその会社に居続けなくても……
心では思っていても、その後の保証が出来るわけでもなし、
無責任な事を言うわけにもいかず。
ただお会いするたびに、
「大変そうだなぁ、キツそうだなぁ」と
慮るしかない、そういう日々が続いていました。
たとい大変な状況であっても、本人がそれを楽しみ、
先々のための糧として前向きに捉えられているうちは
良いのかも知れません。
たとい体を壊したとしても、突然死したとしても、
本人が「わが人生に悔いなし」と思えるのでしたら、
それは他人がどうこう言う筋合いのものでは
ないのだと思います。
石の上にも三年 と言うように、
ある程度は状況を受けれいれていくことも必要かも知れません。
でも、あまりにもそれが長くなると……。
「どうなのかな?」と思ってしまうわけで。
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「ちょっと話」の内容は、
辞める事を決め、手続きがほぼ終わったこと。
現在進行中案件の引き継ぎ等のこと。
正直、ホッとしました。
次のアテは無い、とのことではありますが、
需要はいくらでもあるでしょう。
「他の業界に行くかも」
そんな言葉も出てきましたが、それはそれで本人の選択。
実際、同業者でも業界から『足を洗って』出て行った方々を
何人か見てきています。
やはり、それぞれ自分自身の仕事、働き方、生活、家族、
将来などを考えて、ご自分で判断され、進んで行かれたのだと
思います。
とにかく、どのように進むにせよ、
「前途に幸あれ」と
思わざるを得ません。
ワタクシ自身は……。
前述の方ほどの経験も実績も資格もありませんでしたが、
やっぱりいろいろ考えて会社を辞めたクチです。
ただ、今、楽しく(締切等で苦しい時は間々ありますが)
仕事をしていられるのが良いかな、と思います。
やっぱり『せつび』が好きなんで。
(「自分の働き方」おわり)