2015年09月09日

油の床ころがし配管

油焚きのボイラーに油を供給する場合。

オイルサービスタンクからボイラーまで、油管をつないでやる必要があります。

管内の油は重力により移動するので、サービスタンクよりも低い位置で
配管してやらなければなりません。

配管の位置としては、
・床下
・シンダーコンクリート内埋設
・床上露出
などが考えられます。

床下やシンダーコンクリート内に配管すれば、
途中の配管が室内に出てこないので、室内がすっきりします。

けれども、配管が劣化して油が漏れるような事態が生じた場合、
床下だと下の階に影響を及ぼしてしまいます。
ボイラー室が1階で床下がピットであれば、
下階の人に迷惑をかける心配はありませんが、
発見が遅れる可能性もあります。

とある施設に調査に行った際、マンホールを開けたら
すごく油臭かったことがあります。
そのような場合には、ピット内の油配管を追いかけて、
漏れている位置を特定し、
早急に修理しなくては危険です。

シンダーコンクリート内埋設の場合、
配管が錆びて腐ってきても更新できません。
躯体も重くなるし、
ボイラー本体更新やシステム変更の際にいろいろ面倒だし、
「すっきり」以外のメリットがなかなか思い浮かびません。

油管だけではなく、電源や制御用の電線管も埋設されていたりして、
部分的に「はつる」場合にも、気を遣います。

機能性や見た目に関する『好み』という側面があるかも知れませんが、
ワタクシ自身は「床上露出」を選ぶことが多いと思います。

メンテナンス要員しか入らない室ですので、
あまり見映えを気にする必要はないんじゃないかと思いますし、
次々と新しい製品、新しいシステムが開発される昨今、
なるべく現状を把握しやすく、改修しやすい状況にしておくのが良いと考えるからです。

とは言っても、床上に配管がゴロゴロ転がっていては、
室内を歩く時につまずきやすくなります。

メンテ動線部分は鉄板で覆うとか、
それなりの配慮をした方が良いのは当然です。
油ころがし配管に鉄板.JPG

同じ理由で、貫通以外の床躯体埋込・壁躯体埋込の配管は、
極力無いほうが良いと思っています。

躯体と配管とでは、耐用年数も用途も機能も違うのですから、
「一体化」しないほうが将来的にも有利。

違うご意見の方も、当然いらっしゃることと思いますけど。
(「油の床ころがし配管」おわり)
posted by けろ at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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